Σ 記号と色々な数列の和の公式

 

Σ 記号の意味と使い方

 一般には $S_n=a_1+a_2+a_3+\:\cdots\:+a_n$ は次のように簡略化して表します。
 
\[S_n=\sum_{k=1}^{n}a_k\]
 $\sum$ はギリシャ文字で シグマ と読みます。この文字はアルファベットの $S$ に相当し、総和 を意味する sum の頭文字です。上の略号は $1$ から $n$ までの自然数を順次 $k$ に入れて足し合わせていくという意味です。たとえば、$a_k=k$ のときは
 
\[\sum_{k=1}^{n}k=1+2+3+\:\cdots\:+n\]
となります。これは等差数列の和なので
 
\[\sum_{k=1}^{n}k=\frac{n(n+1)}{2}\]
と表せます。$\sum$ 演算では以下の公式が成り立ちます。

\[\begin{align*}&\sum_{k=1}^{n}(pa_k+qb_k)=p\sum_{k=1}^{n}a_k+q\sum_{k=1}^{n}b_k\tag{1}\\[6pt]
&\sum_{k=1}^{n}c=nc\tag{2}\end{align*}\]

[公式(1) の証明]
\[\begin{align*}\sum_{k=1}^{n}(pa_k+qb_k)=&\,(pa_1+pa_2+\:\cdots\:+pa_n)+(qb_1+q_b2+\:\cdots\:+qb_n)\\[6pt]
=&\,p(a_1+a_2+\:\cdots\:+a_n)+q(b_1+b_2+\:\cdots\:+b_n)\\[6pt]
=&\,p\sum_{k=1}^{n}a_k+q\sum_{k=1}^{n}b_k\end{align*}\]
[公式(2) の証明]
 $a_1=a_2=a_3=\:\cdots\:=a_n=c$ なので、初項から第 $n$ 項までの和をとると
 
\[\sum_{k=1}^{n}a_k=c+c+c+\:\cdots\:c=nc\]
となります。
 

Σ 演算の公式

 $\sum k$ や $\sum k^2$ などは教科書にも載っている基本公式ですが、新しい公式と一緒にまとめて載せておきます。

\[\begin{align*}&\sum_{k=1}^{n}k=\frac{1}{2}n(n+1)\tag{3}\\
&\sum_{k=1}^{n}k^{2}=\frac{1}{6}n(n+1)(n+2)\tag{4}\\
&\sum_{k=1}^{n}k^{3}=\left [ \frac{n(n+1)}{2} \right ]^{2}\tag{5}\\
&\sum_{k=1}^{n}k(k+1)=\frac{1}{3}n(n+1)(n+2)\tag{6}\\
&\sum_{k=1}^{n}k(k+1)(k+2)=\frac{1}{4}n(n+1)(n+2)(n+3)\tag{7}\end{align*}\]

 公式 (3) は等差数列の和の公式です。
 等差数列と等差級数の頁 を参照してください。

[公式 (4) の証明] $S=1^2+2^2+\:\cdots+\:n^2$ とおき、恒等式
 
\[(k+1)^3-k^3=3k^2+3k+1\]
に $k=1$ から $k=n$ まで順に値を入れていきます。
 
\[\begin{align*}&2^3-1^3=3\cdot 1^2+3\cdot 1+1\\[6pt]
&3^3-2^3=3\cdot 2^2+3\cdot 2+1\\[6pt]
&4^3-1^3=3\cdot 3^2+3\cdot 3+1\\[6pt]
&\cdots\cdots\cdots\cdots\cdots\cdots\\[6pt]
&n^3-(n-1)^3=3(n-1)^2+3(n-1)+1\\[6pt]
&(n+1)^3-n^3=3n^2+3n+1\end{align*}\]
 辺々をすべて足し合わせると、左辺は隣り合う項が相殺されて 2 項だけが残ります。
 
\[(n+1)^3-1^3=3(1^2+2^2+\:\cdots+\:n^2)+3(1+2+\:\cdots\:+n)+n\]
 右辺の第 1 項に $S=1^2+2^2+\:\cdots+\:n^2$ を代入し、第 2 項に等差数列の公式を適用すると
 
\[(n+1)^3-1^3=3S+\frac{3}{2}n(n+1)+n\]
 この式を整理して
 
\[S=\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)\]
となります。

[公式 (5) の証明] 公式 (5) には技巧的な証明法があります。
 
\[(k+1)^3=\left\{\frac{k(k+1)}{2}\right\}^2-\left\{\frac{(k-1)k}{2}\right\}^2\]
と変形します。和をとると $2$ 項ずつ相殺されていきます。
 
\[\begin{align*}\sum_{k=1}^{n}k^{3}&=\left[\left\{\frac{1\cdot 2}{2}\right\}^2-\left\{\frac{0\cdot 1}{2}\right\}^2\right]\\[6pt]
&+\left[\left\{\frac{2\cdot 3}{2}\right\}^2-\left\{\frac{1\cdot 2}{2}\right\}^2\right]\\[6pt]
&+\left[\left\{\frac{3\cdot 4}{2}\right\}^2-\left\{\frac{2\cdot 3}{2}\right\}^2\right]\\[6pt]
&+\cdots\cdots\cdots\cdots\\[6pt]
&+\left[\left\{\frac{n(n+1)}{2}\right\}^2-\left\{\frac{(n-1)n}{2}\right\}^2\right]\\[6pt]
&=\left\{\frac{n(n+1)}{2}\right\}^2-\left\{\frac{0\cdot 1}{2}\right\}^2=\left\{\frac{n(n+1)}{2}\right\}^2
\end{align*}\]
[公式 (6) の証明] 公式 (6) は公式 (3) と (4) から得られます:
 
\[\begin{align*}\sum_{k=1}^{n}k(k+1)&=\sum_{k=1}^{n}k^{2}\: +\: \sum_{k=1}^{n}k\\
&=\frac{1}{6}n(n+1)(n+2)+\frac{1}{2}n(n+1)\\
&=\frac{1}{3}n(n+1)(n+2)\end{align*}\]
[公式 (6) の計算例①] 公式 (6) は次のような 2 重和の計算に応用できます:
 
\[\sum_{m=1}^{n}\left ( \sum_{k=1}^{m}k \right )=\sum_{m=1}^{n}\left [ \frac{1}{2}m(m+1) \right ]=\frac{1}{6}n(n+1)(n+2)\]
[公式 (6) の計算例②] 番号がずれているときは次のように計算します:
 
\[\begin{align*}\sum_{k=1}^{n}(k+2)(k+3)&=3\cdot 4+4\cdot 5+\: \cdots \cdots +\: (n+2)(n+3)\\
&=\sum_{k=1}^{n+2}k(k+1)-1\cdot 2-2\cdot 3\\
&=\frac{1}{3}(n+2)(n+3)(n+4)-8\\
&=\frac{1}{3}n(n^{2}+9n+26)\end{align*}\] 
 
[公式 (7) の証明] 公式 (7) は公式 (3), (4), (5) によって証明されます:
 
\[\begin{align*}\sum_{k=1}^{n}k(k+1)(k+2)&=\sum_{k=1}^{n}(k^{3}+3k+2)\\
&=\frac{1}{4}\: n^{2}(n+1)^{2}+\frac{1}{2}\: n(n+1)(2n+1)+n(n+1)\\
&=\frac{1}{4}n(n+1)(n+2)(n+3)
\end{align*}\]
[公式 (7) の計算例] 公式 (7) は次のような 2 重和の計算に応用できます:
 
\[\begin{align*}
\sum_{m=1}^{n}\left ( \sum_{k=1}^{n}k^{2} \right )&=\sum_{m=1}^{n}\left [ \frac{1}{6} \: m(m+1)(m+2)\right ]\\
&=\frac{1}{24}n(n+1)(n+2)(n+3)\end{align*}\]

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