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今回は数論の中でも極めて重要な役割を担うオイラー関数(オイラーのφ関数)について解説します。
オイラー関数(オイラーのφ関数)
【定義D3】正整数 と互いに素な 以下の正整数の個数を と書き、これをオイラー関数 (Euler’s function) と定義する。
たとえば 以下の正整数
のうち と互いに素である要素は
の 4 個なので となります。 が素数 であるとき、 以下の正整数
のうち 自身を除く要素は全て と互いに素なので、となります。一般に素数 について
が成り立ちます。また の場合を考えると、 ~ のうち、 の倍数は つごとに現れるので、その個数は
あって、それ以外の数は と互いに素です。すなわち
となります。一般に のときは
によって与えられます。
ここからさらに一般化して の場合の を求めたいのですが、それにはオイラー関数が乗法的であることを証明する必要があります。
【定理D6】オイラー関数は正整数 について
を満たす。
[証明] ~ を次のように並べます。
1 行目において と互いに素である数は 個あります。それを小さい順に並べて
とします。この中の1つを とすると、
はいずれも法 について合同ではありません。実際、
とおいてみると
となりますが、 なので、この合同式は成り立ちません ( が より小さいので で割り切れるはずがありません)。したがって (2) は完全剰余系をなしていることになり、 と互いに素な数は 個あることになります。このことは (1) の 個の数それぞれについていえるので、 より小さくて と互いに素である数は全部で 個あることになります。すなわちオイラー関数は乗法的関数です。(証明終)
オイラー関数が乗法的であることがわかっったので が
のように素因数分解されるとき は
のように乗算で表すことができます。すなわち次の定理が成り立ちます。
【定理D6】正整数 が のように素因数分解されるとき、
例として を計算してみます。
と素因数分解できるので、
となります。すなわち 以下の数で と互いに素である数は 個あるということです。
約数のオイラー関数の和
以下の数について、それぞれ との最大公約数を求めて下の表に並べてみます(左の列です)。
この中から と最大公約数が になる数、すなわち
を満たす は
の計 4 個あります。またこれは右列を見ると
すなわち をみたす の数と一致しています。
その数はオイラー関数を用いて
で計算することができます。一般に次の定理が成り立ちます。
【定理D7】 であるとき
を満たす は 個存在する。
[証明] とおくと
となるので、
このような は 個存在するので、 を満たす も 個存在します。(証明終)
の約数を並べると
となります。先ほどの表から との最大公約数がそれぞれの約数になるように を分類すると(定理 D7 を使って計算することもできます)、
となります。これらは 以下の数について全て数え上げているのですから、
が成り立ちます。すなわち の約数のオイラーの関数の和が 自身に一致します。このことはもちろん一般にも成り立ちます。
【定理D8】正整数 のすべての約数について、オイラー関数の和をとると に等しくなる。すなわち
でも試してみます。 の約数は
なので、
となって確かに に一致しています。
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