完全微分型方程式
次のような微分方程式を考えてみます。
これは変数分離によって簡単に解くことができますが、ここでは少し違ったやり方で解いてみます。両辺に
となります。左辺をじっと見つめると、これは
確かに
と書き直せるので、積分すると
という解が得られます。
一般に次のような形の方程式
において、関数
のように、ある関数
で与えられます (
であるという定理です。これを満たさなければ
を満たす
となることを証明してみます。これは簡単です。
となるので、微分の順序を入れ替えれば (A3) が成立します。今度は十分条件、すなわち
が成立するならば、
を満たす
とおくと、
となります。
が満たされている必要があります。積分して
これを (A4) に代入して
ここで
という表式を得ます。この積分は下の図の A → S → B という経路に沿っています。
これを A → T → B という経路に変えても積分結果は変わらないので、(A5) は
としてもかまいません。
積分因子
与えられた方程式が完全微分型でなくても、ある関数
としたものが完全微分型方程式になるとき、
となります。しかし一般にこの方程式から具体的な
【DE08】完全微分型方程式①
【ヒント】この問題については
【解答】与えられた微分方程式
が完全微分型であるためには、
について
という条件式を満たしている必要があります。実際に計算してみると
となるので、(A) は完全微分型方程式であり、
を満たすような
によって与えられます (
となります。ただし定数項は
が求める解となります。
【別解】ところが、この問題では与えられた方程式
をよくみると、
という形になるだろうと予測できます。試しに偏微分してみると
となるので、(A) と係数を比較して
がわかります。したがって
という一般解を得られます。
【DE09】完全微分型方程式②
(1) 次のような形の微分方程式
が与えられたとき、方程式が
であることが知られています。積分因子
で与えられることを示してください。
(2) 微分方程式
【解答】(1) 積分因子
を書きなおすと
となります。これを整理すると
となります。右辺が
となります。
(2) 与えられた微分方程式
において
を計算すると
となります。右辺は
となります(
の両辺にかけると
この式の左辺は微分型になっているはずです。変形していくと
これを積分して整理すると
という解を得ます。
【DE10】完全微分型方程式③
微分方程式
【ヒント】まずは左辺が完全微分型になっているかどうかを確認します。なっていなければ積分因子
【解答】微分方程式
が完全微分型であるためには、
について
という条件式を満たしていなければなりませんが、計算してみると
となるので、与えられた微分方程式は完全微分型ではありません。そこで
となるような積分因子
それぞれ
両辺の係数を比較すると
これを解いて
が得られます。すなわち
となります。これを微分方程式
にかけて
これを変形していくと
これを積分して一般解
が得られます。
【DE11】変数分離型微分方程式の積分因子
変数分離型の微分方程式
を完全微分型方程式
の形にするための積分因子
をみたす関数です。
【ヒント】まずは与えられた方程式を変形します。
【解答】微分方程式
を変形すると
となります。すなわち
とみると、(A) が完全微分型であるためには
とみたす必要があります。ここで仮に
となります。すなわち
となるような
これを積分して、任意定数を
となります。すなわち積分因子のひとつとして
が得られます。
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