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調和級数と交代調和級数

調和級数

an=1/n を順に足し加えていく級数を調和級数 (harmonic series)とよびます。
 H=1+12+13+14++1n+
調和級数は発散します。以下に 2 通りの証明を載せておきます。

調和級数が発散することの証明①

級数の各項を 1 個、2 個、4 個 … というように 2k 個ごとのグループに分けて不等号をつくります。
 H=1+(12+13)+(14+15+16+17)+>1+(14+14)+(18+18+18+18)+=1+12+12+
1/2 を加えていく級数は発散するので、調和級数 H は発散します。

調和級数が発散することの証明②

下図のように y=1/x の積分と比較する方法もあります。
 
Excel調和級数積分

図の長方形を加えた面積が n=1n1n に相当します。この部分が y=1/x の積分より大きいのは明らかです。y=1/x を 1 から ∞ まで積分すると
 1dxx=[logx]1=
なので調和級数 H は発散します。また有限区間において
 Hn=n=1n1n>1n+1dxx=log(n+1)
という関係が成り立っています。

交代調和級数

調和級数において各項の符号を交互に変えた交代級数
 S=11213+1415+
のことを交代調和級数(alternating harmonic series)とよびます。実はこの級数は対数関数と結びついています。log(1+x) の級数展開式
 log(1+x)=n=1(1)n1xnn(1<x1)
において x=1 とおくと
 log2=n=1(1)n1n
となって、これは交代調和級数そのものです。よって交代調和級数は log2 に収束します。調和級数は発散し、交代調和級数は収束するので、交代調和級数は 条件収束級数 ということになります。

【Excel】交代調和級数を調べます

Excel で描いた交代調和級数の収束の様子を載せておきます。
 
Excel交代調和級数
 
足されたり引かれたりで小刻みに変動しながらも log2=0.693 に向けて収束していく様子が見えます。

【VBA】交代調和級数を計算するプロシージャ

交代調和級数を計算する Function マクロも載せておきます。

'[VBA] 交代調和級数

Function HA(k As Integer) As Double

    Dim i As Integer, j As Integer

    If k Mod 2 = 0 Then
        i = k / 2
        j = k / 2
    Else
        i = Int(k / 2 + 1)
        j = Int(k / 2)
    End If

    For m = 1 To i
        s = s + 1 / (2 * m - 1)
    Next m

    For m = 1 To j
        s = s - 1 / (2 * m)
    Next m

    HA = s

End Function

この関数を使うときは項数 n を引数として「=HA(n)」と入力してください。

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