グレゴリー級数・マチン級数
逆正接関数(アークタンジェント)の級数展開を求め、円周率の近似値を計算する式(グレゴリー級数とマチン級数)を導きます。
逆正接関数の級数展開
逆正接関数を級数展開するために、まずは
マクローリン展開公式
を用いると、
となります。
という展開式が得られます。逆正接関数の導関数は
で与えられるので、逆正接関数を
と積分で表すことができます。この式に (1) を代入すると
が得られます。
グレゴリー級数
なので、級数 (3) に
という円周率の級数表示が得られます。この級数をグレゴリー級数 (Expansion of Arctangent) とよびます。しかし、この級数の収束はかなり遅く、1200 項まで計算してようやく 3.140759 程度の精度です(真値は3.141593)。
マチン級数
イギリスの天文学者ジョン・マチンはより収束の速い円周率の級数、マチン級数 (Machin’s formula) を発見しました。その導出はかなり技巧的です。まず 2 つの定数
で定義します。すなわち
です。倍角公式を用いると
となります。さらに加法定理を使うと
となるのです。
が得られます。この関係式を逆正接関数で書き直すと
となります。具体的に計算するときは逆正接関数の級数展開式 (3) を用いて
を適当な項まで計算して (5) に代入します。(B) の各項は非常に小さいので、3 つか 4 つの項で打ち切っても高い精度の値が得られます。試しに (A) を 5 項まで、(B) を 3 項までとって (5) を計算してみると 3.141592682 という値が得られます。真値が 3.141592654 なので、7 桁の精度で一致していることになります。
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