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【Excel VBA】べき乗・累乗

【Excel】べき乗 (累乗)・べき根 (累乗根) と指数法則

実数 (あるいは複素数) an 回掛ける演算を an と表記し、a を底、n指数とよびます。また、an の形で表される数を aべき乗とよびます。たとえば、25 回掛ける演算を 25 で表します。累乗とよぶこともありますが、累乗は指数 n を整数に限定した演算です。後述するように、一般にべき乗の指数は有理数や実数、さらには複素数まで拡張できます。

Excel では「^」の記号を使ってべき乗・累乗を計算できます。「^」はキャレット (caret) とよばれる記号で、元々は校正で脱字挿入に使われていました。「^」の前に底 a、後ろに指数 n を記述します。たとえば、25 を計算したいときはセルに

=2^5

と入力します (32 が返ります)。
 
指数 n0 のときは、0 以外の実数 a に対して a0=1 と定義されています。1000 を Excel に計算させてみましょう。セルに

=100^0

と入力すると 1 が返ります。00 は分野によって定義が異なりますが、Excel では「=0^0」は #NUM! エラーを返すようになっています。

指数 n が負の値のとき、an1an 回除算した演算として定義されます (ただし、a0)。すなわち、
 a1=1aa2=1a2a3=1a3an=1an
のように定義されています。たとえば、43143 回割る (1/43 回掛ける) 演算です。Excel で計算してみましょう。

=4^(-3)

と入力すると 0.01563 を得ます。

n を有理数まで拡張してみましょう。a1/nan 乗根、すなわち xn=a の解 x として定義されます。たとえば、a1/2a の平方根、a1/3a の立方根です。一般に a1/na累乗根 とよびます。Excel で 271/3 を計算してみましょう。

=27^(1/3)

と入力すると 3 を得ます。a が負数の場合、n 乗根が定義できない場合があります。x3=27 の解は 3 なので、(27)1/33 です。しかし、x2=25 の解は実数範囲に存在しないので、(25)1/2 は定義できません。実際、キャレットを用いて

(-729)^(1/2)

を計算させると #NUM! を返します。
 
ただし、扱う範囲を複素数まで拡張すると、x2=25 の解 5iが存在するので、(729)1/2 を定義できます。複素数まで拡張されたべき演算は後述する IMPOWER関数を使って実行できます (詳細は記事の後半を参照してください)。

指数 n を無理数まで拡張すれば、n はすべての実数で定義されたことになります。このとき、一般に指数を x で表します。102 を計算してみましょう。

=10^(2^0.5)

戻り値は 25.95 です。この値は 101=10102=100 の間にあります。有理指数を使って、もう少し範囲を狭めると、101.3=19.95101.5=31.62 の間にあります。とはいえ、実際にはコンピュータで無理数は扱えません。「=2^0.5」のような演算は、無理数 2 の近似値である有理数を返していて、「=10^(2^0.5)」は ann が有理数である場合のべき乗演算です。厳密な意味では、数値計算においては指数 n を無理数に拡張できないばかりでなく、扱える桁数に制限がつくので、すべての有理数が扱えるわけでもありません。

指数法則

べき乗・累乗演算では以下の 指数法則 が成り立ちます。
 (1)axay=ax+y(2)(ax)y=axy(3)(ab)x=axbx
x, y が整数のとき、上の公式はほとんど自明です。たとえば、
 102103=(10×10)×(10×10×10)=105=102+3
が成り立つことはすぐにわかります。しかし、上の公式は任意の実数 x, y について成立します。直感的には理解しにくいですが、指数に無理数を含んだ
 102103=102+3
のような式も成り立っています。Excel で左辺と右辺を別々に計算して、計算結果が等しくなることを確認しておきましょう。入力数式を見やすくするために、平方根は SQRT関数を使って求めます。左辺を計算するために

=10^2*10^SQRT(3)

と入力すると、5395.74 が表示されます。また、右辺を計算するために

=10^(2+SQRT(3))

と入力しても、5395.74 が返ります。

POWER関数

キャレット演算子の代わりに POWER関数を用いてべき乗を計算することもできます。POWER関数は

=POWER(底, 指数)

のように記述します。たとえば 32 を計算したいときは

=POWER(3,2)

と入力します (9 が返ります)。11 の 3 乗根を計算するには

=POWER(11,1/3)

と入力します (戻り値は 2.223)。POWER関数を使う利点は計算式を見やすくするということです。たとえば演算子だけで

=A1^2*5^(0.2)*cos(A1)

のように複雑な数式を書くと非常に見づらいですが、

=POWER(A1,2)*POWER(5,0.2)*cos(A1)

とすれば、入力式の意味をすぐに読み取ることができます。

EXP関数

自然対数の底 e=2.718 (ネイピア数) のべき乗を計算するときは EXP関数を使って

=EXP(指数)

と入力します。e を底、指数に 1 を指定して

=EXP(1)

と記述すると e の値 (2.718 …) が得られます。

=EXP(1/2)

とすると e の平方根 1.648 … が返ってきます。

IMPOWER関数

キャレット演算子やPOWER関数では、底や戻り値が複素数であるようなべき乗を扱うことはできません。複素数まで拡張されたべき乗演算は IMPOWER関数を用いて実行します:

=IMPOWER(底, 指数)

底には数値または文字列形式で表された複素数を指定できます (複素数を指定する場合は引数をダブルクォーテーションで括ってください)。たとえば、(1+i)3 を計算したい場合は

=IMPOWER("1+i",3)

と入力します (戻り値は “-2+2i”)。底、指数ともに実数であっても、戻り値が虚数や複素数となることもあります。たとえば、25 の平方根は 5i です。Excel で確かめてみましょう。

=IMPOWER(-25,0.5)

戻り値は “3.06287113727155E-16+5i” となって、実数部に僅かな誤差が生じます (“E-16” は 1016 を表しています)。

【VBA】べき乗・累乗計算

一般的にVBAでは、累乗・べき乗を「^」(キャレット)を使って計算します。たとえば、102 は「10^2」で計算できます。

Sub PowerSample1()
    'キャレットでべき乗を計算
    Debug.Print 10 ^ 2
End Sub

'100

ワークシート関数の Power を呼び出してべき乗を計算することもできます。

Sub PowerSample2()

    Dim x As Double

    'ワークシート関数で13の1.5乗を計算
    x = WorksheetFunction.Power(13, 1.5)
    
    Debug.Print x

End Sub

'46.8721665810319

底が複素数であるときは、ワークシート関数の ImPower を呼び出してください。たとえば、(1+2i)3 を計算するときは、以下のようなコードを書きます。

Sub PowerSample3()

    Dim a As Variant, b As Variant

    '複素数1+2i
    a = WorksheetFunction.Complex(1, 2)
    
    'ワークシート関数で(1+2i)^3を計算
    b = WorksheetFunction.ImPower(a, 3)

    Debug.Print b

End Sub

'-11-2i

戻り値が複素数となるようなべき乗計算においても、WorksheetFunction.ImPowerメソッドは有用です。たとえば、9 の平方根は以下のように計算できます。

Sub PowerSample4()

    Dim c As Variant
    
    'ImPower関数で-9の平方根を計算
    c = WorksheetFunction.ImPower(-9, 0.5)

    Debug.Print c

End Sub

'1.83772268236293E-16+3i

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