たとえば実数
は成立するので、この命題は真です。
では、集合
となるので、ベン図を書くと次のようになります。
否定(Negation)
条件
先ほどの命題
においては、
全称記号と存在記号
数学の命題でよく用いられるのが「任意の(すべての)」、「ある(存在する)」という言い回しです。英語ではそれぞれ all, some で表現します。数学では「任意の」を全称記号
のように表せます。また「ある」は存在記号
と書くことができます。「任意の」の否定は「ある」、「ある」の否定は「任意の」です。否定なので命題の真偽は引っくり返ります。たとえば「すべての実数
となります。
命題の逆(Converse)
ある命題「
を命題の逆(converse) といいます。もとの命題が真であっても、その逆も真であるとは限りません。たとえば実数
は真ですが、その逆命題
については、
命題の裏(Inverse)
ある命題「
を命題の裏(inverse)といいます。もとの命題が真であっても、その裏も真であるとは限りません。たとえば実数
は真ですが、その裏命題
については、
命題の対偶(Contraposition)
ある命題「
を命題の対偶(contraposition)といいます。もとの命題の真偽と対偶の真偽は必ず一致します。この事実はベン図を用いるとすぐに理解することができます。
この図から
命題の逆・裏・対偶の関係図
命題の逆・裏・対偶の関係をまとめると下の図のようになります。
逆と裏については、もとの命題と真偽が一致するとは限らず、対偶のみがもとの命題と同値であることに注意してください。
エクセルや数学に関するコメントをお寄せください