コーシー・シュワルツの不等式
任意の実数
が成立します。等号は
のときに成り立ちます。この関係を シュワルツの不等式 (Schwarz’s inequality)、またはコーシー・シュワルツの不等式とよびます。
と書けます。
コーシー・シュワルツの不等式の証明
まずは
は常に成り立っています。展開して整理すると
左辺を
となり、
が恒等的に成り立つことがわかります。等号が成立するのは
のとき、すなわち
のときですから、
となります。ただし
のように書くことを約束しておけば、
と比例関係で表すことができます(証明終)。
一般の
が成り立ちます。展開して整理すると
この式を満たすのは判別式
したがって
が成立します。等号が成立するのは
のとき、すなわち全ての i について
を満たすときだけです。
と書くことができます。これは
と同値です。ただし
コーシー・シュワルツの不等式をベクトルでイメージします
ですから、両辺を
が成り立ちます。成分表示すればこれはシュワルツの不等式そのものです。
等号が成立するのは
が成立するときで、各ベクトルの成分は
と書くことができますから、
が等号成立の条件となります。
コーシー・シュワルツの不等式の感覚を掴みます
見やすいように実数
等号成立条件は
という不等式になります。そこでたとえば
となって、その差はわずかに
コーシー・シュワルツの不等式と相加相乗平均と組み合わせてみます
において
となります。一方で相加・相乗平均の関係によると
となっています。両辺を 2 乗すると
となります。さきほどの不等式を組合わせると
という不等式を得ることができます。たとえば
という関係を表しています。
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