1 / (x2 - a2) の積分 Integral of 1/(x2 - a2)
次の積分もよく登場するので覚えておくといいかもしれません。
\[\int \frac{dx}{x^{2}-a^{2}}=\frac{1}{2a}\: \log\left | \frac{x-a}{x+a} \right |+C\tag{1}\]
(1) の証明
部分分数分解で簡単に計算できます。
\[\begin{align*}
\int \frac{dx}{x^{2}-a^{2}}=&\int \frac{dx}{(x+a)(x-a)}\\
=&\frac{1}{2a}\int \left ( \frac{1}{x-a}-\frac{1}{x+a} \right )dx\\
=&\frac{1}{2a}\: \log\left | \frac{x-a}{x+a} \right |
\end{align*}\]
計算例 単位長さ当たりの面積
(1) の被積分関数で a = 1 とおいた関数を f(x) とおきます。
\[f(x)=\frac{1}{x^{2}-1}\]
x > 0 の範囲のグラフは次のようになります(偶関数なので x < 0 の領域は x > 0 の部分を折り返したグラフです)。
図中に示された任意の実数 k (> 1) から k + 1 までの長さ 1 の線分と f(x) で囲まれた面積 S(k) の表式を求めてみます。(1) の公式を使うと
\[S(k)=\int_{k}^{k+1} \frac{dx}{x^{2}-1}=\log\left [ \frac{k(k+1)}{(k-1)(k+2)} \right ]\]
となりますね。図示すると下図のようになります。
やはり先程と同じような形の単調減少関数となります。
k を大きくしていくと、面積 S(k) はどんどん小さくなります。
3 を超えたあたりでは、もうほとんど面積はなくなってしまいます。