Excel で等差数列の一般項と和を計算します

 数学の中でも 数列 は Excel の操作感覚にぴたりと合う分野といってよいでしょう。相対参照で同じ演算を作用させ続けるオートフィル機能とは、まさに数列そのものです。まず簡単に 等差数列 について復習し、そのあと実際に Excel に数列を計算させてみましょう。
 

等差数列

 初項 a1 、公差 d の等差数列の一般項は

an = a1 + (n - 1) d   [1]

で表されます。また隣り合う 2 項間の関係(漸化式)は、

an + 1 - an = d   [2]

です。基本的に Excel で数列を計算する場合は初項と漸化式さえ分かっていればよく、一般項は必要ありません。また、第 n 項までの等差数列の和は、

Sn = (1/2) n [2 a1 + (n - 1) d]   [3]

によって計算できますが、Excel では各セルごとに順次和を求めていくので、

Sn = Sn - 1 + an   [4]

という関係式のほうを使います。たとえば第 4 項までの和 S4 は次のように求めることができます:

ExcelSnとanの関係

Excel に等差数列を計算させます

 それでは新しいシートを用意してください。初項 1, 公差 2 の等差数列を計算させてみます。下図を参照に数列番号 n と一般項 an 、そして数列の和 Sn を表す見出しを作っておきます。n の下(セル A2 以降)には 1 から 10 までの番号を用意しておきましょう。また、初項 a1 および公差 d を入力する項目も用意しておきます。セル B2 にはセル F2 を絶対参照する

=$f$2

と入力しておきます。数列が 1 項しかなければ和は a1 に等しいので、セル C2 には

=b2

と入力します。

 Excel初項と公差を入力

 さて B3 に入るべきは 1 つ前のセルに公差 d を加える というデータです。
 「 1 つ前のセル」は相対参照で、「公差 d 」は絶対参照にしなければなりませんから、

=b2+$f$3

と入れておきます。そして右下隅をダブルクリックすると、末項までこの関係が保持されたデータが入り、一般項 an のデータが一瞬で完成します。

 Excel等差数列データ

 次はこの数列の和を計算するために、さきほどの公式 [4] を用います。

Sn = Sn - 1 + an

ですから、1 つ前のセルに左隣のセルを加える というデータを作ります。相対参照で

=c2+b3

と入力します。右下隅をダブルクリックして数列の和のデータが入ります。

 Excel数列総和データ

 ちゃんと合っているのかどうか不安な人は検算しておきましょう。

1 + 3 + 5 + 7 + 9 + 11 + 13 + 15 + 17 + 19 = 20 × 5 = 100

 合ってますね! 次は初項を「 2 」、公差を「 4 」に変えてみます。

 Excel初項と公差を変える

 一般項と和が1瞬で計算され直しましたね!
 

汎用性が大切です

 Excel は自由度の高い計算ソフトですから、同じ数列計算シートでも人によって仕様が異なる可能性があります。たとえば初項と公差の入力項目を用意せずに セル B2 に「 1 」を入れて、B3 には

=b2+2

としても計算上は問題ありません。しかしこれでは何がパラメータなのか分かり難いうえに、公差を変えようとしたときに、セル B3 の式を書き直さなければならなくなってしまいます。色々な数列を調べたいと思ったときに、これではストレスが溜まるばかりですね。
 Excel でシートを作るさいには可能な限り「データの1部を変えて対応するデータを全て変化させる」という仕様にすることが大切です。これは数学に限らず会社で作成する見積書などでも同じことです。また、VBA と連動させるような複雑なシートならいっそう重要になってきます。「どの部分がパラメータで、対応する可変データはどこなのか」という関係を分かりやすく構成する、ということを常に意識してください。

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