アステロイド曲線
アステロイド曲線(asteroid)はギリシア語の「星のような形」に由来する図形で、星芒形あるいは星形ともよばれます。また4つの尖点を持つことから、四尖点形(tetracuspid)の名称でよばれることもあります。アステロイドは、図のように半径
アステロイドの代数曲線は
によって与えられ、
と表すこともできます。媒介変数
を動くとき
を動いてちょうど一周します。アステロイドはスーパー楕円とよばれる曲線
において
アステロイド曲線の面積
アステロイドの媒介変数表示
を用いて曲線に囲まれた内側の面積を計算することができます。第 1 象限の面積を 4 倍すればいいので、
となるので、
ここで
によって定積分を計算できます。
となります。
アステロイド曲線の長さ
で計算できます。この公式を使ってアステロイド
の1周分の長さを計算してみます。
となるので、
となります。
Excel でアステロイド曲線を描く
アステロイド曲線は内トロコイド(hypotrochoid) とよばれる曲線群に含まれます。内トロコイドは
で表され、
当サイトからトロコイドを描画するExcelワークシートをダウンロードできます:
≫ ファイルをダウンロードする
ダウンロードしたらファイルを開いて [内トロコイド] のシートを選択してください。
デフォルトでアステロイド曲線が描かれています。
一般に、rm = rd, rc = 4rd に設定したときにアステロイド曲線となります。
たとえば、rc = 2, rm = rd = 0.5 としたときにもアステロイド曲線になります。
rc, rm, rd はスピンボタンで自由に変更できます:
興味のある人はスピンボタンを適当にいじって、アステロイド以外にも色々と試してみてください。たとえば、デフォルト設定から rc を 0.1 下げて 3.9 にするだけでも、アステロイドとは全く異なる曲線が描かれます:
天動説とアステロイド曲線
アステロイド曲線は大昔の天文学において「天動説」を説明するために発見された形です。地球を中心に惑星が回っていると仮定すると「惑星の逆行」という奇妙な動きを説明できません。そこで惑星が小さな円を描きながら地球の周りを動くという「周転円」という考え方で何とかこじつけます。周転円にもとづく天動説は数学的には矛盾がないので、「地動説」支持者にとっては手ごわい理論でした。数学の定理が間違った理論を支えていたこともあるのです。「周転円」の考え方がなければ、人類はもっと早くに「地動説」を受け入れていたかもしれません。
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