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ド・モルガンの法則

条件 p,q について 「p かつ q」を論理積(logical conjunction)とよび、「pq」と表します。「かつ」は英語の and です。「ともに」と言い換えるとわかりやすいかもしれません。たとえば実数 x,y について x2+y2=0 が成り立つとき、xy はともに 0 なので、
x2+y2=0x=0y=0
という命題は真です。p,q を満たすものの集合をそれぞれ P,Q とすると、pqPQ の要素となります。

AかつB(合接)のベン図

条件 p,q について 「p または q」を 論理和 (logical disjunction) とよび、「pq」と表します。英語の or に相当しますが、「どちらか一方」ではなく 「少なくとも一方は」 という意味であることに注意してください。たとえば実数 x,yxy=0 をみたすとき、xy の少なくとも一方は 0 となります:
xy=0x=0y=0
これは xy のどちらか一方だけが 0 でもよいし、両方が 0 であってもよいという意味です。p,q を満たすものの集合をそれぞれ P,Q とすると、pqPQ の要素です。

AまたはB(離接)のベン図

ド・モルガンの法則

論理積の否定は PQ の補集合の要素となります。

否定論理積のベン図

したがって、「pq」の否定(否定論理積)は「p¯q¯」(p または q)となります。
(1)pqp¯q¯
論理和の否定は PQ の補集合の要素となります。

否定論理和

よって、「pq」の否定(否定論理和)は「p¯q¯」となります。
(2)pqp¯q¯

(1) と (2) をまとめて ド・モルガンの法則(De Morgan’s Laws)とよびます:

論理積と論理和の例題を解いてみましょう。
【例題1】実数 a,b について、次の命題
ab>0a+b>0a>0b>0
の真偽を判定してください。
【解答】ab>0 ならば ab が同符号です。すなわち「a>0,b>0」または「a<0,b<0」です。一方で a+b>0 をみたすには a,b のうち少なくとも一方が正でなくてはなりません。したがって「a>0,b>0」となり、命題は であることがわかります。

次の問題は 2015 年度センター試験の数学ⅠAで出題された問題を少し手直ししたものです。

【例題2】自然数 n に対する条件 p1,p2,q1,q2 を次のように定めます。

p1n は素数
p2n+2 は素数
q1n+15 の倍数
q2n+16 の倍数

30 以下の自然数 n のなかで命題p1p2q1¯q2の反例となる n をすべて求めてください。

【解答】p1p2nn+2 がともに素数であることを意味します。これは互いに隣り合う素数、すなわち 双子素数 とよばれる組です。30 以下の n で双子素数 (n,n+2) の組を並べてみると
(3,5),(5,7),(11,13),(17,19),(29,31)
5 組となります。一方、q1¯q2n+15 の倍数ではなく、6 の倍数となります。双子素数となる 5 組の n+1
n+1=4,6,12,18,30
ですから、このうち 6,12,183 組は条件を満たしていますが、残りの n+1=4,6 は条件を満たしません。したがって n=3, 29 が答えとなります。

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