数学未解決問題シリーズの2回目です。
今回は 双子素数 (twin prime) のお話です。
双子素数の不思議な性質
まず素数を並べてみましょう。
素数とは 1 と自分自身でしか割り切れない数のことです。ただし 1 だけは除きます。
2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, 41, 43, 47, 53, ...
この中から、その差が 2 であるペアを拾っていくと
(3, 5), (5, 7), (11, 13), (17, 19), (29, 31), (41, 43), ...
のようになります。これらの組合せを 双子素数 とよびます。偶数の素数は 2 だけですから、(2, 3) という組を除くと、双子素数は互いにもっとも近い素数の組ということになります(もちろん必ず隣り合っています)。双子素数には面白い性質がいくつもあります。たとえば (3, 5) を除く全ての双子素数が (6n – 1, 6n + 1) の形をしていることが知られています。確かめてみましょう。
(5, 7) = (6 - 1, 6 + 1) (11, 13) = (6・2 - 1, 6・2 + 1) (17, 19) = (6・3 - 1, 6・3 + 1)
確かに法則を満たしていますね。少し複雑な話になりますが、双子素数を (n, n + 2) とおくと、
4 {(n - 1)! + 1} + n
は n(n + 2) で割り切れます。 (5, 7) の組合せを例にとると
4 {(5 - 1)! + 1} + 5 = 105
となって、これは 5・7 = 35 で割り切れます。素数が無限に存在することは大昔に証明されていますし、現代では高校1年生の練習問題です。しかし 双子素数が無数に存在するかどうか(双子素数の予想) という命題は現代でも証明されておらず、未解決問題として残っています。もちろん有限である可能性もありますが、やはり多くの数学者は「無数にあるだろう」と予測しています。
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