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畳み込み積分

畳み込み積分(Convolution Integral)

関数 f(t)g(t) について、
 (A)f(t)g(t)=f(s)g(ts)ds
によって定義される積分を畳み込み積分あるいは合成積といいます。「*」は掛け算ではなく、右辺のような積分を計算するという意味の記号です。畳み込み積分は s についての無限積分なので t の関数となります。また、fg の順番を入れ替えても計算結果は同じです。すなわち可換則
 (B)f(t)g(t)=g(t)f(t)
が成り立ちます。

【畳み込み積分が可換であることの証明】畳み込み積分の定義式
 f(t)g(t)=f(s)g(ts)ds
において r=ts とおくと ds=dr なので、
 f(t)g(t)=f(tr)g(r)(dr)=g(r)f(tr)dr=g(t)f(t)
となって畳み込みの可換則が証明されました。

畳み込み積分定理

畳み込み積分はとてもきれいな形で フーリエ変換 されます。
 
f(t)g(t) のフーリエ変換をそれぞれ
 F(ω)=f(t)eiωtdtG(ω)=g(t)eiωtdt
とすると、畳み込み積分
 f(t)g(t)=f(s)g(ts)ds
のフーリエ変換は
 (C)F[f(t)g(t)]=F(ω)G(ω)
となります。また F(ω)G(ω) の畳み込み積分を
 F(ω)G(ω)=F(z)G(ωz)dz
と定義すると、f(t)g(t) のフーリエ変換は
 (D)F[f(t)g(t)]=12πF(ω)G(ω)
となります。(C) と (D) を畳み込み積分定理とよびます。

【畳み込み積分定理の証明】畳み込み積分
 f(t)g(t)=f(s)g(ts)ds
をフーリエ変換すると
 F[fg]=[f(s)g(ts)ds]eiωtdt=f(s)[g(ts)eiω(ts)dt]eiωsds
ここで r=ts とおくと、dt=dr なので
 F[fg]=f(s)[g(r)eiωrdr]eiωsds=f(s)G(ω)ds=F(ω)G(ω)
となって (C) が証明されました。(D) も同じように証明できるので、ここでは省略します。

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