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倍角公式と半角公式の証明

三角関数の倍角公式

ある角度 θ に対する倍角 2θ は次のように関連付けられます。
 (1)sin2θ=2sinθcosθ(2)cos2θ=cos2θsin2θ(3)cos2θ=12sin2θ(4)cos2θ=2cos2θ1(5)tan2θ=2tanθ1tan2θ(6)tan2θ=1cos2θ1+cos2θ

倍角公式の証明① 加法定理

倍角公式加法定理
 sin(x+y)=sinxcosy+cosxsinycos(x+y)=cosxcosysinxsiny
において x=y=θ とした特別な場合です。
 (1)sin2θ=2sinθcosθ(2)cos2θ=cos2θsin2θ
ここで三角関数の基本公式
 cos2θ+sin2θ=1
を用いると
 (3)cos2θ=12sin2θ(4)cos2θ=2cos2θ1
を得ることができます。また正接 (tangent) の定義に従えば
 (5)tan2θ=sin2θcos2θ=2sinθcosθcos2θsin2θ=2tanθ1tan2θ
また、(3) と (4) を用いると
 (6)tan2θ=1cos2θ1+cos2θ
が得られます。

倍角公式の証明② オイラーの公式を用いる方法

オイラーの公式の行列表現(回転行列)
 eθI=(cosθsinθsinθcosθ)
を用いて (1) と (2) を証明することもできます。
 eθIeθI=(cosθsinθsinθcosθ)(cosθsinθsinθcosθ)=(cos2θsin2θ2sinθcosθ2sinθcosθcos2θsin2θ)
一方で左辺の行列積は
 eθIeθI=e2θI=(cos2θsin2θsin2θcos2θ)
と書けるので、
 (1)sin2θ=2sinθcosθ(2)cos2θ=cos2θsin2θ
となります。

三角関数の半角公式

三角関数の半角公式は以下のようなものが知られています。
 (7)sin2θ2=1cosθ2(8)cos2θ2=1+cosθ2(9)tan2θ2=1cosθ1+cosθ(10)sinθ=2sinθ2cosθ2(11)tanθ2=1cosθsinθ(12)tanθ2=sinθ1+cosθ
【半角公式の証明】半角公式は本質的に倍角公式と同じものです。
 cos2θ=12sin2θcos2θ=2cos2θ1
において、θθ2 の変換によって、それぞれ
 cosθ=12sin2θ2cosθ=2cos2θ21
となるので、これを少し変形して
 (7)sin2θ2=1cosθ2(8)cos2θ2=1+cosθ2
が得られます。(7) と (8) から
 (9)tan2θ2=1cosθ1+cosθ
となります。

公式 (10) も倍角公式から導きます。
 sin2θ=2sinθcosθ
において、θθ2 と変換して
 sinθ=2sinθ2cosθ2tan10
となります。

(11) と (12) は教科書に載っていませんが、知っておくと便利な公式です。むしろ 2 乗の形になっていないので、タンジェントの半角公式としては (9) よりも強力な公式と言えます。右辺を計算すると簡単に証明できます。
 1cosθsinθ=2sin2θ22sinθ2cosθ2=tanθ2sinθ1+cosθ=2sinθ2cosθ22cos2θ2=tanθ2
(11) と (12) は単位円上の座標 (cosθ,sinθ) を半角 θ/2 だけ回転させる線型変換と考えて証明することもできます。
 (cosθ2sinθ2)=(cosθ2sinθ2sinθ2cosθ2)(cosθsinθ)=(cosθcosθ2+sinθsinθ2sinθcosθ2cosθsinθ2)
両辺を cosθ/2 で割って
 (1tanθ2)=(cosθ+sinθtanθ2sinθcosθtanθ2)
よって、
 (11)tanθ2=1cosθsinθ(12)tanθ2=sinθ1+cosθ
となります。

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