セル範囲に名前をつけて数式を入力します

 Excel でセルを参照して数式を入力するとき、たとえば「=A1^2」のような形で入力するのが面倒だとか、見づらいと思うかたもおられるでしょう。そのような場合、セル範囲に名前を定義 して、その 名前を使って数式を入力する と、数式が見やすくなります。下にいくつかの実例を載せておきます。

セル範囲に名前をつけます

 任意の係数 $a,\:b$ および変数 $x$ を与えて二次関数
\[f(x)=ax^2+b\]を計算するワークシートを作ってみます。

 Excel2次式計算

 セル C4 に a の値としてとりあえず「 2 」を入れておきます。このセルを選択した状態で左上にある [名前ボックス] に「 a 」と入力して [Enter] キーを押します。これでこのセルを「 C4 」の代わりに「 a 」という文字で参照することができるようになりました。同じようにしてセル C5 の名前を「 b 」、C7 の名前を「 x 」としてください。最後に $f(x)$ を計算します。

 f(x)の値を計算

 セル C8 に定義した名前を使って

=a*x^2+b

と入力すると値が計算されて「 19 」と表示されるはずです。
   
 複数のセルにまとめて同じ名前をつけることもできます。
 A 列と B 列に 5 つずつ数値を入れてまとめて足し算してみましょう。

 Excelセル範囲に名前をつける

 セル A2 ~ A6 を同時に選択した状態で [名前ボックス] に「 xx 」と入力します。同じようにセル B2 ~ B6 を選択して [名前ボックス] に「 yy 」と入力してください。この 2 つの変数を使ってまとめて足し算してみます。

 Excelまとめて足し算

 セル D2 に「 =xx+yy 」と入力してセル D6 までオートフィルすると、A 列と B 列のそれぞれの行にある数値同士を足した結果が表示されます。
 

セルの名前として使えない文字

 Excel ではセルの名前として使用できない文字があるなど、いくつかのルールがあるので、簡単にまとめておきます。
① 名前の先頭に(半角/全角ともに)数字は使えません。
② A1, a1, B1, b1 などセル番地を表す文字は使えません。
③ アルファベットの C, c, R, r を 1 文字で使用することはできません。CC, RR などのように重ねれば使えます。
-, [, {, ! などの記号は使えません。 スペースも使えません。
⑤ 名前に使える次数は半角で数えて 255 文字までです。
⑥ 大文字と小文字は区別されません。

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