この記事では VBA の log関数 で対数を計算する方法について解説します。
≫ Excelのワークシートで対数を計算する方法については、こちらの記事をご覧ください。
【VBA】Log関数
自然対数は $y=e^x$ の逆関数であり、
\[y=\log_{e} x\]
のように表します。一般に添字 $e$ は省略され、
\[y=\log x\]
と書きます。ここに $e$ はネイピア数(自然対数の底)で
\[e = 2.7182818 …\]
という値をもつ無理数です。
VBA の Log() は引数の自然対数を返します。
引数は 0 を超える数値で指定します。
戻り値はDouble 型(倍精度浮動小数点数型)となります。
$\log 1=0$ となることを確かめてみましょう。
'[VBA] log(1)=0を確認
Sub Log_Test_1()
Debug.Print Log(1)
End Sub
0
定義より、$\log e$ は $1$ となります。
ネイピア数 $e$ は Exp(1) で取得できます。
'[VBA] log(e)=1を確認
Sub Log_Test_2()
Debug.Print Log(Exp(1))
End Sub
1
真数条件より、引数に 0 や負数を渡すとエラーとなります。
'log(0)はエラーを返す
Sub Log_Test_3()
Debug.Print Log(0)
End Sub
実行時エラー '5' プロシージャの呼び出し、または引数が不正です。
'[VBA] log(-1)はエラーを返す
Sub Log_Test_4()
Debug.Print Log(-1)
End Sub
実行時エラー '5' プロシージャの呼び出し、または引数が不正です。
ある数 $a$ を底とする対数値は「底の変換公式」によって求めることができます:
\[\log_{a}x=\frac{\log_{e}x}{\log_{e}a}\]
任意の数値と底を指定して対数を計算する関数を実装してみます。
'[VBA] 任意の底の対数関数
Function Logarithm(x As Double, a As Double)
Logarithm = Log(x) / Log(a)
End Function
$\log_{2}256=8$ を確かめてみます。
'[VBA] log_2(256)=8を確認
Sub Test_Logarithm()
Debug.Print Logarithm(256, 2)
End Sub
8
[VBA] 常用対数を計算するLog10関数
たとえば $x$ の常用対数を得たいときは、底の変換公式を使って、
\[\log_{10}x=\frac{\log_{e}x}{\log_{e}10}\]
で計算できます。常用対数を求める Functionプロシージャを定義しておくと便利です。
'[VBA] 常用対数関数
Function Log10(x As Double)
Log10 = Log(x) / Log(10)
End Function
$\log_{10}1000=3$ となることを確かめてみます。
'[VBA] 1000の常用対数が3であることを確認
Sub Test_Log10()
Debug.Print Log10(1000)
End Sub
3
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