指数関数の微分と積分
指数関数の導関数は次の形で求められます。
ここに
によって定義されています。また公式 (2) の
【(1)の証明 (A)】そのための準備として
を示しておきます。
となります。これを用いて
となります。
【(1)の証明 (B)】公式 (1) は対数微分を使って証明しすることもできます。
となります。
すなわち
となり
【(2)の証明 (A)】正の実数
と書くことができるので、合成関数の微分公式より
となります。
【(2)の証明 (B)】公式 (2) も対数関数の微分公式を既知として導くことができます。
両辺を
となるので、
という公式が得られます。
【指数関数の微分の応用例】一般に
によって与えられます。たとえば
となるので
であることがわかります。
となります。
によって与えられます。微分公式 (1), (2) を積分形式で書き直すと次のようになります。
公式 (3) を使って、
が得られます。あるいは
と求めることもできます。
ガウス積分
ガウス積分は指数関数と円周率を結びつける積分公式です。この公式は数学の様々な場面で活用されます。特にガンマ関数を学ぶ前に知っておくと便利な公式なので、大学初年度の比較的早い段階(解析学の重積分)で登場します。
(1) を証明できれば、変数変換によって簡単に (2) を求めることができます。また被積分関数は偶関数ですから積分範囲を半分にして
と書くこともできます。
【(1)の証明】直交座標系において
ここに
と一変数の積分の平方の形に書き直すことができます。これはこのまま一旦置いておいて、今度は (5) を極座標系 (r, θ) に変換することを考えます。すなわち変数
に置き換え、面積要素は
となります。また積分範囲は
に変換されて次のように計算することができます。
ここで
(6) と (7) を結びつけると、
となるので、
が得られます。
【(2)の証明】
となるので、改めて
という公式が得られます。
エクセルや数学に関するコメントをお寄せください