ベルヌーイ方程式
次の形の方程式をベルヌーイ方程式といいます。
\[\frac{dy}{dx}+p(x)y+q(x)y^k=0\tag{1}\]
これは 非線形方程式ですが、変数変換して、線形方程式に帰着することができます。両辺を $y^k$ で割ると
\[y^{-k}y’+p(x)y^{1-k}+q(x)=0\tag{2}\]
ここで $(y^{1-k})’=(1-k)y^{-k}y’$ を用いて $y’$ を消すと
\[(y^{1-k})’+(1-k)\{p(x)y^{1-k}+q(x)\}=0\tag{3}\]
となるので、$z=y^{1-k}$ とおくと
\[z’+(1-k)p(x)z+(1-k)q(x)=0\tag{4}\]
というように、1次線形微分方程式の形になります。このように非線形方程式を線形方程式の形に帰着させることを線形化(linearization)といいます。(4) の形を覚えておくのは大変なので、実際には上でやったような手順をなぞることになります。以下に解き方の例を載せておきます。次のような形の方程式
\[y’++y+xy^2=0\tag{5}\]
を解いてみましょう。まず両辺を $y^2$ で割ります。
\[\frac{y’}{y^2}+\frac{1}{y}+x=0\tag{6}\]
$(1/y)’=-y’/y^2$ なので
\[\left(\frac{1}{y’}\right)^2-\frac{1}{y}-x=0\tag{7}\]
$z=1/y$ とおくと
\[z’-z=x\tag{8}\]
となります。ここで右辺を 0 とおいた斉次方程式
\[w’-w=0\]
の解の1つは $w=e^x$ なので、
\[z=a(x)e^x\]
とおいて (8) に代入すると
\[a'(x)=-(x+1)e^{-x}+c\tag{9}\]
となります。積分公式
\[\int f(x)dx=-\{f(x)+f'(x)+f^{\prime\prime}(x)+\cdots\}e^x+c\tag{10}\]
を使って積分すると
\[a(x)=-(x+1)e^x+c\tag{11}\]
となるので
\[z=ce^x-x-1\tag{12}\]
$y=1/z$ なので
\[y=\frac{1}{ce^x-x-1}\tag{13}\]
という解が得られます。
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