確率の加法公式
標本空間
を満たす数です。
が成り立ちます。
「
集合の要素の個数について
が成り立つので、両辺を
となります。すなわち 加法公式
が成り立ちます。ジョーカーを含めた 53 枚のトランプから 1 枚を無作為に取り出して、そのカードが「ハートまたは絵札である」という確率を計算してみましょう。トランプの 52 枚のカードはスペード、ハート、クラブ、ダイヤの 4 種類 13 枚ずつからなり、それぞれに 3 枚ずつ、合計 12 枚の絵札があります。「ハートである」という事象を
です。またハートの絵札である事象の数は
です。よって「ハートまたは絵札である」確率は
排反事象
1 つのサイコロを投げるとき、「奇数の目が出る」という事象を
このように複数の事象があって、その中の1つが起これば、他の事象が起こらないとき、これらの事象は 互いに排反する、あるいは 排反事象である といいます。そして
と表すことができ、
となります。
余事象
ある事象について「
という関係を満たしています(つまり
たとえば1つのサイコロを投げるとき、「奇数の目が出る」という事象
という公式が得られます。
また上のベン図から
なので、公式 (C) で
が成り立ちます。3 枚の硬貨を投げて「少なくとも 1 枚は表である」事象
となります。
確率の単調性
下図のように事象
このとき事象
と表せるので、
すなわち確率の単調性
が成り立ちます。これは、ある事象が起こる確率は、その部分事象が起こる確率よりも小さくはないことを示しています。
根源事象の確率の総和
ある標本空間
よっていずれかの根源事象が起こる確率は
となります。
が成り立ちます。これを 完全確率の定理 といいます。たとえば、サイコロを投げて、その根源事象(1 の目が出る、2 の目が出る、… 6 の目が出る)の確率の総和を計算すると
となります。
エクセルや数学に関するコメントをお寄せください