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【NT13】ピタゴラス方程式の既約な解
およびピタゴラス方程式 を満たす自然数 の組を既約なピタゴラス数とよびます。以下の問いに答えてください。
(1) の片方は奇数で片方は偶数であることを示してください。
(2) のうち少なくとも一方は 3 の倍数であることを示してください。
(3) 既約なピタゴラス数を 2 つ見つけてください。
【ヒント】 は と の最大公約数を表す記号です。 と書けば と が互いに素である、つまり と の最大公約数が 1 であるという意味です。ある がピタゴラス方程式を満たすとき、それぞれを倍にした も方程式を満たしますが、そうした組は別の解とは認めないというのが という条件です。(3) は (1) と (2) をヒントにしながらも、ある程度は試行錯誤で根気よく探し出す必要があります。
【解答】(1) 自然数の 乗を で割ったときの余りはどうなるか考えてみます。偶数 であれば
となって、 で割り切れます。奇数 なら
なので、 で割ると 余ります。つまり平方数は で割ったときの余りは か のいずれかです。これを踏まえて命題を背理法で証明します。
「 の片方は奇数で片方は偶数である」の否定命題は「 は両方とも奇数であるか、両方とも偶数である」となります。仮に が奇数であるなら先ほど調べたように
の形で表せます。これをピタゴラス方程式に代入して整理すると
となります。 も で割ると余りは か なるはずですが、上式の左辺は で割ると が余ってしまいますから明らかに矛盾しています。したがって、 がともに奇数となることはありません。
次に、 が両方とも偶数である場合は も偶数となり、これは既約な解ではありません。したがって がともに偶数となることもありません。以上より、 の片方は奇数で片方は偶数であることが示されました。(証明終)
(2) の倍数でない数は と表せるので、平方するとそれぞれ
となります。つまり の倍数でない数は で割ると 余ります。また、 の倍数 を 乗すると
なので、 で割り切れます。つまり全ての自然数は 乗すると余りは必ず か のどちらかになります。さて、「 のうち少なくとも一方は の倍数である」の否定命題は「 はいずれも の倍数ではない」となります。そこで は の倍数でないと仮定して
とおいてピタゴラス方程式に代入すると
となります。 がどのような数であっても で割ったときの余りが か になるはずですが、左辺は で割ると が余るので矛盾しています。したがって、 のうち少なくとも一方は の倍数であることが証明されました。(証明終)
(3) とりあえず (1) と (2) をヒントにして、
あたりを試してみると、 となってこれは不適です。
としてみると となるので、 は自然数です。次は
で試すと、残念ながら不適。
は なので は自然数です。以上より、
がピタゴラス方程式を満たすことがわかりました。
【補足】ピタゴラス方程式の一般解は なる整数 を用いて
で与えられることが知られています。 とおいて先ほどの解と一致することを確認してみてください。
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