二次方程式の解の公式
実数係数の2次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の解は
\[x=\frac{-b \pm \sqrt{D}}{2a} \tag{1}\]
です。ここに $D$ は
\[D=b^2-4ac \tag{2}\]
で表され、解の個数は D の符号によって
\[\begin{align*}D&\gt 0\;\Leftrightarrow\;異なる実数解をもつ\\[6pt]D&=0\;\Leftrightarrow\;重複解(重解)をもつ\\[6pt]D&\lt 0\;\Leftrightarrow\;異なる虚数解をもつ\end{align*}\]
という関係にあります。$D$ によって、解の個数が決まることから、$D$ を判別式 (Discriminant) とよびます。
【解の公式の証明】方程式の左辺を平方完成します。
\[\begin{align*}ax^2+bx+c=&a\left(x^2+\frac{b}{a}\:x+c\right)\\[6pt]=&a\left (x+\frac{b}{a}\right)^2+c-\frac{b^2}{4a}\\[6pt]=&a\left(x+\frac{b}{a}\right)^2-\frac{b^2-4ac}{4a}\\[6pt]=&a\left\{\left(x+\frac{b}{a} \right)^2-\left( \frac{\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\right)^2\right\}\\[6pt]=&\left(x+\frac{b}{2a}+\frac{\sqrt{b^2-4ac}}{2a} \right )\left (x+\frac{b}{2a}-\frac{\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\right)\end{align*}\]
よって \(ax^2+bx+c=0\) の解は
\[x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}=\frac{-b\pm\sqrt{D}}{2a}\]
となります。たとえば、\(x^2-x-1=0\) の判別式は
\[D=(-1)^2-4\cdot 1\cdot (-1)=5\gt 0\]
なので異なる2つの実数解をもち、その解は
\[x==\frac{1\pm\sqrt{5}}{2}\]
となります。方程式\(3x^2+5x+3=0\) の判別式は
\[D=25-36=-11\lt 0\]
なので2つの虚数解をもち、その解は
\[x=\frac{-5\pm\sqrt{11}\:i}{6}\]
解の公式で $b\rightarrow 2b’$ のように変換すると次の公式が導かれます。
\[x=\frac{-b’ \pm \sqrt{b’^2-ac}}{a}=\frac{-b’ \pm \sqrt{D/4}}{a}\]
たとえば、\(x^2-4x+2=0\) の解は
\[x=2\pm \sqrt{4-2}=2\pm\sqrt{2}\]
となります。
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