掛け算シリーズの初回は 2倍計算 と 5倍計算 です。
簡単な計算ですから答えを出すことはできるかもしれませんが、注意すべきはその計算速度です。小学校の時に一生懸命に計算ドリルに取り組んでいた人ほど妙な癖がついている可能性があります。本当に効率的に計算しているかどうかを確認してください。
2倍計算
次の計算を暗算してください。
288 × 2
もしここで筆算を頭に思い浮かべて、 1 の位から順に「 2 × 8 = 16 だから 1 が繰り上がって …… 」というような癖がついている人は修正しておく必要があります。上のような計算はたとえば
288 × 2 = (280 + 8) × 2 = 560 + 16 = 576
というように処理します。或いは 250 をベースにとって
288 × 2 = (250 + 38) × 2 = 500 + 76 = 576
とする方法もあります。もう1つ例を載せておきます。
673 × 2 = (650 + 23) × 2 = 1300 + 46 = 1346
以下に練習問題を多めに載せておきます。慣れないうちは紙に書きながら丁寧に、慣れてきたら暗算で数秒以内に計算できるように練習を繰り返してください。
問題① 次の式を計算してください
(1) 167 × 2 (2) 193 × 2 (3) 469 × 2
(4) 486 × 2 (5) 557 × 2 (6) 797 × 2
(7) 839 × 2 (8) 881 × 2 (9) 966 × 2
問題①の解答
(1) 167 × 2 = (160 + 7) × 2 = 320 + 14 = 334
(2) 193 × 2 =(190 + 3) × 2 = 380 + 6 = 386
(3) 469 × 2 =(450 + 19) × 2 = 900 + 38 = 938
(4) 486 × 2 =(450 + 36) × 2 = 900 + 72 = 972
(5) 557 × 2 =(550 + 7) × 2 = 1100 + 14 = 1114
(6) 797 × 2 =(800 - 3) × 2 = 1600 - 6 = 1594
(7) 839 × 2 =(800 + 39) × 2 = 1600 + 78 = 1678
(8) 881 × 2 =(800 + 81) × 2 = 1600 + 162 = 1762
(9) 966 × 2 =(950 + 16) × 2 = 1900 + 32 = 1932
[注] 式を見た瞬間に、どの数字をベースにするかを素早く見抜く力をつけると計算速度が向上し、ミスも減らせます。たとえば (6) の 797 のように 800 に極めて近い数字に限って 800 をベースにして引き算を使います。 (8) の 881 で 900 をベースにとると 38 を引くことになり、計算ミスの可能性が生じます。引き算はなるべく避けるようにします。
5倍計算
面白いことに 5倍計算は掛け算ではなく割り算を基本とします。
次の例を見てください。
236 × 5
まともに計算しようと思うと案外面倒です。
そこで、この式を次のように考えます。
236 × 5 = 236 × 10 ÷ 2 = 2360 ÷ 2 = 1180
10 を掛けて 2 で割っているのです。
このほうがすんなり計算できます。もちろん式によってはそのまま素直に 5 倍したほうが早い場合や 2 で割りにくい場合もありますから、そこは式を見た瞬間に判断しなくてはなりません。あと 2 つほど例を載せておきます。
681 × 5 = 681 × 10 ÷ 2 = 6810 ÷ 2 = 3405
858 × 5 = 858 × 10 ÷ 2 = 8580 ÷ 2 = 4290
それでは練習問題です。私の主観でそのまま計算したほうが速い問題と、割り算に持ち込んだほうが計算しやすい問題を織り交ぜてありますが、何を計算しやすいかは個人差もありますので、自分に合った計算法を探してください。
問題② 次の式を計算してください
(1) 256 × 5 (2) 325 × 5 (3) 417 × 5
(4) 534 × 5 (5) 743 × 5 (6) 976 × 5
問題②の解答
(1) 256 × 5 = 2560 ÷ 2 = 1280
(2) 325 × 5 = (300 + 25) × 5 = 1500 + 125 = 1625
(3) 417 × 5 = (400 + 17) × 5 = 2000 + 85 = 2085
(4) 534 × 5 = 5340 ÷ 2 = 2500 + 170 = 2670
(5) 743 × 5 = 7430 ÷ 2 = 3500 + 215 = 3715
(6) 976 × 5 = 9760 ÷ 2 = 4500 + 380 = 4880
[注] 暗算する場合の視線の動きについて、ひと言。たとえば (6) を計算するとき、目は 976 だけをじっと見て、末尾に 0 を補って 9760 を思い描きます。あとは頭の中で 4500 + 380 を暗算することはそう難しくないはずです。
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