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【Excel】sin19° と (cos55°)^3 を計算します

【EX01】3604990と92631の最大公約数

(1) 3604990 と 92631 の最大公約数を求めてください。
(2) 72, 544, 1168 の最小公倍数を求めてください。
 
【ヒント】最大公約数と最小公倍数のことを英語でそれぞれ Greatest Common Divisor, Least Common Multiple といいます。
 
【解答】(1) 最大公約数がほしいときは GCD 関数を使います。セルに

=GCD(3604990,92631)

と入力すれば 3604990 と 92631 の最大公約数 401 が得られます。ちなみに手計算でやる場合はユークリッド互除法を用いますが、かなり面倒です。

(2) 数値群の最小公倍数は LCM 関数 によって得られます。セルに 

=LCM(72,544,1168)

と入力すれば 72, 544, 1168 の最小公倍数 357408 が返ってきます。

【EX02】sin19°とcos(55°)^3の値を求めます

(1) $\sin 19^{\circ}$ の値を求めてください。
(2) $\cos^{3} 55^{\circ}$ の値を求めてください。
ただし、いずれも小数点以下 3 桁で答えるものとします。
 
【ヒント】引数の単位に注意です!
 
【解答】Excel には $\sin x,\:\cos x\:\tan x$ の値を返す SIN, COS, TAN という関数が用意されていますが、その引数はラジアン単位で入れることになっています。そこで RADIANS関数によって引数の「度」を「ラジアン」に変換しておく必要があります。

(1) $\sin 19^{\circ}$ は

=SIN(RADIANS(19))

と入力して 0.326 が得られます。
 
(2) べき乗は「^」という演算子を使います。$\cos^3 55^{\circ}$ は

=COS(RADIANS(55))^3

と入力して 0.189 が得られます。

【EX03】係数の大きな二次方程式の解

二次方程式 $133x^2-3531x+23436=0$ を解いてください。ただし、解は分数の形で表してください。
 
【ヒント】解は有理数です。まとめて計算させようとすると入力ミスなどを生じやすいので、係数を別々のセルに入れて処理しましょう。
 
【解答】二次方程式の解の公式
\[x=\frac{-b\pm\sqrt{D}}{2a},\quad D=b^2-4ac\]を用いて解を求めます。次のようなシートを作ってみます。
 
Excel 2次方程式worksheet

セル C2, C3, C4 に係数 $a,\:b,\:c$ を入れておきます。
セル C6 で判別式 $D$ の値を計算させます:

=C3^2-4*C2*C4

セル C8 と C9 にはそれぞれ

=(-C3-SQRT(C6))/(2*C2)
=(-C3+SQRT(C6))/(2*C2)

と入力して 2 つの解を計算させます。ただし、初期設定では値が小数で表示されるので、これを分数表示に変えます。セル C8 と C9 を選択した状態で [ホーム] ⇒ [表示形式] ⇒ [その他の設定] の順に選択します(あるいは右クリック ⇒ [セルの書式設定])。すると次のような画面が現れます。
 
Excel2次方程式worksheet分数表示ユーザー定義

この画面で [ユーザー定義] を選択し、[種類] のテキストボックスに

?/#####

と書きこんでおきます( # は桁数を表すので適当に多めに入れておきます)。
 
worksheetで分数表示になっていることを確認

分数表示されましたね。よって 2 解が
\[x=\frac{252}{19},\quad\frac{93}{7}\]であることがわかりました。

【EX04】Excelで条件を満たす整数を求めます

$f(n)=[n^\sqrt{n}]$ が 3 桁の数字となるような自然数 $n$ を全て求めてください。ここで $[x]$ は $x$ を超えない最大の整数を表すものとします。
 
【ヒント】$n$ と $f(n)$ のデータを作って確認します。
 
【解答】下図のようなワークシートを作ります。
 
Excelで3桁のf(n)を見つける図
 
A 列に $n$ を適当な数だけ並べておきます。$\sqrt{n}$ は SQRT関数で計算させます。また $[x]$ は指定された数値を最も近い整数に切り捨てる INT関数を用います。ですからセル B1 に

=INT(A2^SQRT(A2))

と入力して $f(1)$ を計算させ、A11 までオートフィルして $f(n)$ のデータを埋めます。すると $n=7,\:8,\:9$ で 3 桁の数字になっていることがわかります。

【EX05】絶対値を含む方程式 |x-2|+|x^2-4|=x/4+5 の解の個数

方程式 $\displaystyle |x-2|+|x^2-4|=\frac{x}{4}+5$ を満たす解の個数を求めてください。
 
【ヒント】目で見て交点を数えればよいのです。
 
【解答】解の個数を問われているので、$y=|x-2|+|x^2-4|$ と $y=x/4+5$ のグラフを描いて交点の数をかぞえればよいのです。$x$ を 0.1 刻みで -4 ~ 4 ぐらいの範囲で設定して、次のようなワークシートを作ります。
 
Excel絶対値方程式ワークシート

数値の絶対値を求めるときは ABS 関数を用います。セル B2 と C2 にはそれぞれ

=ABS(A2-2)+ABS(A2^2-4)
=A2/4+5

と入力し、B2 と C2 を同時選択して C2 の右下隅をダブルクリックすると列にデータが埋まります。次は A 列から C 列まで同時選択して、[ホーム] ⇒ [散布図] ⇒ [散布図(平滑線)] の順にクリックすると、グラフが表示されるので、軸や目盛などを適当に設定します。
 
Excel絶対値を含んだ関数graph
 
グラフの交点を数えると「解が 4 個ある」ことがわかります。

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