ある条件のもとで交代級数が収束することを示し、また絶対収束と条件収束の定義について解説します。
交代級数
各項の符号が交互に入れ替わる次のような無限級数を考えてみます。
これだけ見ても、足される部分と引かれる部分の寄与の大きさがわからず、+∞ あるいは -∞ に発散するのか、それともどこか適当な値に収束するのか、よくわかりません。丁寧に調べてみましょう。まず偶数項までの部分和をとってみます。2 項ずつ ( ) で括ってみると
() の中は全て正ですから、
と書くこともできます。() の中は全て正なので
の範囲に制限されていて、
であることがわかります。奇数項の場合は、
なので、偶数項までの和に 1 より小さな数を加えるだけです。つまり
となって、この級数が収束することがわかります。一般的な交代級数については、以下の事実が知られています。
【交代級数が収束することの証明】偶数項までの部分和をとると
と書くことができます。() の中は非負なので
と表すと、() の中は全て非負なので
となって、数列
また奇数項については、
と書けるので、
となって同じ値に収束することがわかります。
絶対収束級数
任意の符号をもつ
の各項の絶対値をとった級数
が収束するとき、
【証明】
とおいて加えると
という交代級数を考えてみます。各項の絶対値をとった級数は
となります。部分和をとると
となります。すなわち
なので
条件収束級数
任意の符号をもつ
は収束しても、各項の絶対値をとった級数
は収束しないとき、
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