関数とは数と数を1対1の対応で結びつけるものです。中学校では最初に一次関数 y = ax というものを学びます。一見すると単純極まりない関係に思えますが、そこには身震いするような真実が隠されているのです。
閉区間に含まれる要素数
一次関数 y = 2x のグラフを描いてみます。
グラフには x 軸に沿った区間 [0, 1] を赤い線分で、y 軸に沿った区間 [0, 2] を青い線分で示してあります。さて、赤い部分と青い部分、どちらによりたくさんの数が含まれているでしょうか? なんだか馬鹿げた問いに思えますね。
「青い線分は赤い線分の2倍の長さがあるのだから、含まれている数も2倍あるはずだ」
と考えるのが普通です。
しかし本当にそうでしょうか?
まず x から y への対応関係を考えます。これは関数なのですから、x が整数であろうと有理数であろうと、あるいは無理数であろうと、必ず対応関係がつきます。でも x を取りつくしたあとに右の図のように y が余ってしまうこともあるかもしれません。そこで y = 2x を x = y/2 と書き換えて、先に y を定めてから x を決めることにします。この場合も1つの y に対して1つの x が対応するので、x と y は必ず1対1で結びつき、どちらかが余るということはありません。したがって
区間 [0, 1] と区間 [0, 2] に含まれる要素数は同じである
と結論できます。「そんな馬鹿な!」と思われるかもしれませんが、数学においては、これは全くの真実です。数直線のある部分を切り取ると、そこには必ず無限の要素が含まれます。つまり無限集合同士を比較しているので、このような直感に反した結論が導き出されてしまうのです。上の例では y = 2x という関数で調べましたが、x の係数を変えて y = 10 x にしようが y = 100 x にしようが同じことです。つまり区間 [0, 1] や区間 [0, 10] , あるいは区間 [0, 100] も、そこに含まれる要素数は同じであるということです。さらに一般的に言うと、
数直線から適当な閉区間を切り取れば、そこに含まれる要素数はどれも同じである
ということです。この議論をさらに無限に広がる平面にまで拡張したのがリーマンという数学者です。
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面白かったです。
数学はあまり得意ではありませんが、奥が深いですね。
ありがとうございます。
楽しんで読んでいただけると私も嬉しいです。
数学は本当に奥が深いので、私も楽しみながら少しずつ学んでいます。