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最初に1の目を出した人が勝ちです

【PS21】最初に 1 の目を出した人が勝ちです

山田君、中村君、佐藤君の順に交互にサイコロを投げて、最初に 1 の目を出した人が勝ち というゲームをします。それぞれが勝つ確率を求めてください。必要であれば、r<1 のときに成り立つ無限等比級数の公式
1+r+r2+r3+  =11rを使ってください。

【ヒント】数Ⅲの無限級数が絡む確率問題ですが、使う公式は明示してあるので、数Ⅲを未履修でも挑戦できます。

【考え方】このゲームは 1 の目が出るまで終わりません。つまり、サイコロを 1000 回振っても 10000 回振っても終わらない可能性も(僅かに)あります。そのため、誰が勝つ確率も無限級数を使って表されることになります。
 
【解答】山田君、中村君、佐藤君の順にサイコロを投げるので、山田君が勝つ可能性があるのは、1, 4, 7,  回目です。1 の目を ① で、それ以外の目を □ で表すことにします。1, 4, 7,  回目に山田君が 1 の目を出したというそれぞれのケースについて、それまでに 3 人が出した目を並べてみると次のようになります。

1 回目  ①
4 回目  □□□①
7 回目  □□□□□□①

① は 16, □ は 56 の確率で実現するので、1, 4, 7,  回で山田君が勝つ確率は次のようになります。

1 回目16
4 回目(56)3×16
7 回目(56)6×16

それぞれの回で山田君が勝つという事象は互いに独立です(1 回目と 7 回目に勝つということはありえません)。したがって、山田君が勝つ確率 P(A) は、それぞれの回で勝つ確率を全部(無限に)足し合わせて
P(A)=16+(56)316+(56)616+  =16{1+(56)3+(56)6+ }
と表されます。ここで与えられた公式
1+r+r2+r3+  =11r
を使うと、
P(A)=1611(56)3=3691
となります。同じようにして、中村君が勝つケースは次のように表されます。

2 回目  □①
5 回目  □□□□①
8 回目  □□□□□□□①

それぞれの回で中村君が勝つ確率は

2 回目56×16
5 回目(56)4×16
8 回目(56)7×16

よって、中村君が勝つ確率 P(B)
P(B)=16{(56)+(56)4+(56)7+ }=1656{1+(56)3+(56)6+ }=53611(56)3=3091
となります。佐藤君が勝つ確率は全事象の確率 1 から「山田君が勝つ確率」と「中村君が勝つ確率」を引いて、
P(C)=1P(A)P(B)=2591
となります。

【PS22】重複を許して無作為に生成される文字列

コンピュータを使って a, b, c, d, e から重複を許して無作為に 3 つの文字を選び出し、左から順に並べて 3 文字で構成される文字列を作ります。同じ文字が含まれる文字列が生成される確率 を求めてください。ただし、それぞれの文字はどれも等しい確率で選び出されるものとします。

【ヒント】同じ文字を含む文字列は aaa とか bcb とか、baa など色々なパターンがあります。頑張って数えあげることもできなくはないですが、もっと簡単な方法があります。今回は数行で解ける簡単な問題です。あまり難しく考え過ぎないでください。
 
【解答】「同じ文字を含む」という事象を A とすると、その余事象 A¯ は「同じ文字を1つも含まない」となります。この余事象の個数は、5 個のものから 3 個とって並べる順列の数
5P3=5  4  3
です。文字の選び方の総数は 53 なので、余事象 A¯ が起こる確率は
P(A¯)=5  4  353=1225
となります。よって、求める確率は
P(A)=1P(A¯)=11225=1325
となります。

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