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二解の比が1:2になるように定数を定めます

【AG17】二解の比が1:2になるような定数k

二次方程式 $x^2-3kx-4(k-1)=0$ の2つの解の比が $1:2$ になるように定数 $k$ を定めて解を求めてください。
 
【ヒント】問題文に素直にしたがって解を設定します。


【解答】2つの解を $\alpha,\:2\alpha$ とおくと、解と係数の関係より
 \[3\alpha=3k,\quad 2\alpha^2=4(k-1)\]
となるので、$\alpha=k$ であることがわかります。上の2式から $\alpha$ を消去して整理すると
 \[k^2-2k+2=0\]
という $k$ に関する二次方程式が得られるので、これを解いて
 \[k=1\pm i\]
と決まります。したがって解は
 \[1+i,\quad 2+2i\]
あるいは
 \[1-i,\quad 2-2i\]
のいずれかになります。

【AG18】二次式を一次式の積に因数分解します

二次式 $P=x^2-(2m-3y)x+my^2-5y+3$ が一次式の積に因数分解できるように整数 $m$ を定めてください。
 
【ヒント】一次式となるための条件を考えましょう。最終的には $m$ に関する三次方程式が得られるはずですが、$m$ が整数であるという条件があるので、解を得るのはそれほど難しくありません。

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【解答】$P=0$ とおいた二次方程式の解は
 \[x=\frac{3y-2m\pm\sqrt{D_1}}{2}\]
となります。ここに $D_1$ は
 \[D_1=(2m-3y)^2-4(my^2-5y+3)\]
です。この式を $y$ について整理すると
 \[D_1=(9-4m)y^2+4(5-3m)y+4(m^2-3)\]
となります。 $P$ を $(x-\alpha)(x-\beta)$ のように因数分解したときに、括弧の中身が $x$ と $y$ の一次式であるためには、$D_1$ が
 \[D_1=(x-\gamma)^2\]
という形になっている(方程式 $D_1$ が重解をもつ)必要があります。ややこしいですけど判別式 $D_1$ の判別式 $D_2/4=0$ が条件となります。
 \[\frac{D_2}{4}=4(3m-5)^2+4(m^2-3)(4m-9)=0\]
これを整理すると
 \[2m^3-21m+26=0\]
という方程式を得ることができます。整数解を求めるので、もう少し書き換えて
 \[m(21-2m^2)=26\]
とします。右辺の数字 $26$ は
 \[26=1\cdot 26,\quad(-1)\cdot(-26),\quad 2\cdot 13,\quad(-2)\cdot (-13)\]
と分解できますが、方程式を満たすのは
 \[m=2,\quad 21-2m^2=13\]
という組合せだけです。よって $m=2$ が答えとなります。

【AG19】解の絶対値を解にもつ 2 次方程式

(1) 二次方程式
 \[x^2+px+mq=0\tag{A}\]
の解の絶対値を解にもつ二次方程式 (B) を求めてください。
 
(2) $p=2,\:q=1$ としたとき、方程式 (A) と (B) と、それぞれの解を求めてください。
 
【ヒント】問題文通りに素直に解答を進めれば解けるはずです。(2) は具体例で感覚を掴んでもらうために添えた簡単な問題です。


【解答】2つの解を $\alpha,\:\beta$ とすると、解と係数の関係を用いて
 \[\alpha+\beta=-p,\quad \alpha\beta=q\tag{1}\]
と書けます。$\alpha,\:\beta$ の絶対値を解にもつ二次方程式は
 \[x^2-(|\alpha|+|\beta|)\:x+|\alpha||\beta|\tag{2}\]
と表すことができます。ここで $\alpha+\beta$ を計算するために $\alpha+\beta$の平方を計算します。
 \[\begin{align*}(|\alpha|+|\beta|)^2=\:&\alpha^2+2\:|\alpha||\beta|+\beta^2\\[6pt]=\:&(\alpha+\beta)^2-2\:\alpha\beta+2\:|\alpha||\beta|\\[6pt]=\:&p^2-2q+2|q|\end{align*}\]
したがって
 \[|\alpha|+|\beta|=\sqrt{p^2+2\:(|q|-q)},\quad |\alpha||\beta|=q\]
となるので、これを式 (1) に代入して、方程式
 \[x^2-\sqrt{p^2+2\:(|q|-q)}\:x+|q|\tag{B}\]
を得ます。

(2) $p=2,\:q=1$ を代入すると方程式 (A) と (B) は
 \[\begin{align*}&x^2+2x+1=0\tag{A}\\[6pt]&x^2-2x+1=0\tag{B}\end{align*}\]
となります。方程式 (A) の左辺を因数分解すると
 \[(x+1)^2=0\]
ですから、その解は $x=-1$ となります。方程式 (B) は
 \[(x-1)^2=0\]
となって解は $x = 1$ となり、方程式 (A) の解の絶対値となっています。

【AG20】4つの未知数を組合わせます

4つの未知数 $a,\:b,\:c,\:d$ が
 \[a+b=1,\quad ab=2,\quad c+d=4,\quad cd=8\]
という関係を満たすとき、
 \[A=ac+bd,\quad B=ad+bc\]
で表される $A,\ B$ を求めてください。
 
【ヒント】条件から $a,\:b$ を解とする二次方程式をつくって $a,\:b$ を求めることはできますが、このようにして求めた $a,\:b,\:c,\:d$ を使って $A,\ B$ の値を求めるのはかなり面倒です。もっと別の方法を考えたほうがよさそうです。いったん方針が定まるとパズルのようにするする解けますよ。


【解答】$A$ と $B$ を加えてみると
 \[A+B=a\:(c+d)+b\:(d+c)=(a+b)(c+d)=4\]
となります。次に $A$ と $B$ の積をつくると
 \[AB=(ac+bd)(ad+bc)=a^2cd+abc^2+abd^2+b^2cd\]
ここで $ab=2,\ cd=8$ を入れて
 \[AB=8\:(a^2+b^2)+2\:(c^2+d^2)\]
と表すことができます。ここで
 \[\begin{align*}a^2+b^2=&\:(a+b)^2-2ab=3\\[6pt]c^2+d^2=&\:(c+d)^2-2cd=0\end{align*}\]
ですから、$AB=-24$ となります。$A,\ B$ を解とする方程式は
 \[x^2-(A+B)\:x+AB=0\]
ですから、$A+B=8$ と $AB=-24$ を代入すると
 \[x^2-4x+24=0\]
となるので、これを解いて
 \[x=2\pm 2\sqrt{5}i\]
を得ます。したがって、
 \[A=2+2\sqrt{5}i,\quad B=2-2\sqrt{5}i\]
あるいは
 \[A=2-2\sqrt{5}i,\quad B=2+2\sqrt{5}i\]
となります。

【AG21】三次の項を含む連立方程式

$x^3+y^3=x^2+y^2=x+y$ を解いてください。(関西学院大)
 
【ヒント】式を見る限り、どう考えても $(x,\:y)=(0,\:0),\:(1,\:0),\:(0,\:1),\:(1,\:1)$ 以外の解はありそうにないですが、それを確認するためにも、とにかく解いてみるしかありません。

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【解答】$x+y=z$ とおいて2つの変数を1つにまとめてしまえれば楽になりそうです。そのためには $x+y$ を2乗したり3乗したりする必要があります。ただし、そのときに出てくる $xy$ という項も $z$ で表さなくてはなりません。大まかな方針が決まったところで解答に進みましょう。

まずは $x^2+y^2=x+y$ の方程式から変形してみます。式の途中で $x+y=z$ に置き換えます。
 \[\begin{align*}&x^2+y^2=x+y\\[6pt]&\leftrightarrow (x+y)^2-2xy=x+y\\[6pt]&\Leftrightarrow z^2-2xy=z\\[6pt]&\therefore xy=\frac{z^2-z}{2}\end{align*}\]
次に $x^3+y^3=x+y$ を変形します。
 \[\begin{align*}&x^3+y^3=x^2+y^2\\[6pt]&\Leftrightarrow(x+y)^3-3xy\:(x+y)=x+y\\[6pt]&\Leftrightarrow z^3-3\:\frac{z^2-z}{2}z=z\\[6pt]&\Leftrightarrow z^3-3z^2+2z=0\\[6pt]\end{align*}\]
ようやく $z$ の方程式を得たので、これを解きます。
 \[z\:(z-1)(z-2)=0\]
より $z=0,\:1,\:2$ を得ます。あとは値ごとに場合分けします。

(ⅰ) $z=0$ のとき
 \[x+y=0,\quad xy=0\]
なので、この方程式を満たすのは $(x,\:y)=(0,\:0)$ のみです。
 
(ⅱ) $z=1$ のとき
 \[x+y=1,\quad xy=0\]
となって、$(x,\:y)=(1,\:0),\ (0,\:1)$ が解となります。
 
(ⅲ) $z=2$ のとき
 \[x+y=2,\quad xy=1\]
となるので $y$ を消去すると
 \[x^2-2x+1=0\]
ですから、$(x,\:y)=(1,\:1)$ が解となります。
 
以上より与えられた方程式を満たす $x,\:y$ は
 \[(x,y)=(0,0),\:(1,0),\:(0,1),\:(1,1)\]
となります。予想通りの答えでしたね。

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