日暦算 の難問です。問題を解きながら、普段私たちが使っている暦の仕組みについて学びましょう。
【算数問題01】閏年は400年間に何回ある?
天文観測によって正確に測った 1 年の長さを太陽年といいます。その長さは
1 太陽年 = 365.2422 日
であることが知られています。現在、私たちの使っているカレンダーは グレゴリオ暦 といって、次の規則によって閏(うるう)年を入れて 1 年の長さをできるだけ太陽年に近くなるように調整しています。閏年 というのは、他の年の 365 日に比べて日数が 1 日だけ多い年のことです。
① 4 で割り切れる年は閏年とします。
② 100 で割り切れる年は平年とします。
③ 400 で割り切れる年は閏年とします。
③が②より、②が①よりも優先します。たとえば西暦 2000 年は 4, 100, 400 のいずれでも割り切れますが、③の条件を優先的に適用して閏年となります。以上の説明を踏まえて解答してください。
(1) 閏年は 400 年間に何回ありますか。
(2) グレゴリオ暦の 1 年の長さは平均すると何日でしょう。
(3) グレゴリオ暦における平均の 1 年の長さと 1 太陽年の誤差は何秒ですか。
【ヒント】(3) は「秒数」で答えることに注意してください。
(2) グレゴリオ暦では平年には 365 日、閏年には 366 日あるのですが、これをならして平均を求めてみようという問題です。 (1) の結果により、97 年間は 366 日、303 年間は 365 日です。400 年間の全日数は
\[303\times 365+97\times 366=110595+35502=146097\ 日\]
となります。これを 400 で割ると 1 年当たりの平均日数が求められます。
\[146097\div 400=365.2425\ 日\]
これが答えなのですが、実はもう少し簡単な計算法があります。それは 365 日からの「ずれ」だけを取り集めて、それを 400 等分して各年の日数(365 日)に配ってしまおうという考え方です。つまり 400 年で閏年のずれを全部集めると 97 日ありますから、それを 400 で割ると、
\[97\div 400=0.2425\ 日\]
となります。これを平年の 365 日に配れば、
\[365\div 0.2425=365.2425\ 日\]
という答えが得られます。
(3) 1 太陽年は 365.2422 日ですから、これをグレゴリオ暦の 1 年 365.2425 日から引き算して、
\[365.2425-365.2422=0.0003\ 日\]
となります。これは日数ですから感覚的によくわかりませんね。秒数に変換してみましょう。1 日は 24 時間、 1 時間は 60 分、 1 分は 60 秒ですから、これを次々と掛け合わせると、
\[0.0003\times 24\times 60\times 60=25.92\ 秒\]
という答えが得られます。
【グレゴリオ暦に代わる暦のアイデアを募集します】
1 年で約 26 秒の誤差ですから、グレゴリオ暦はとても優秀ですね。でも「もっと良い方法がないかな?」と色々考えてみることも大切です。私もあれやこれやと考えてみているのですけど、なかなか難しいですね。考え過ぎて頭が疲れてしまったので、皆さんから「新しい暦の案」を募集することにしました。いいアイデアがあったら、下のほうにあるコメント欄からお寄せください。
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