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πには世界のあらゆる情報が記述されている?

πには世界の情報が詰まってる?

円周率πは「3.14159265358979323…」というように無限に続く数です。無理数なので小数部分が循環することもありません。世の中にはこれを何万桁も暗記しているような人が存在するから驚きですよね。

え? 私がどれだけ覚えているかって?
ええと、3.14159 … これぐらいかな。
私の記憶力の悪さなんて今はどうでもいいのです。
本題に入りましょう。今回はπには世界のあらゆる情報が記述されているかもしれない、というお話です。これはあくまで仮説ですけど、本当だったらすごい話ですよね。

現代では大量の文字情報が電子化されています。スマホや PC, iPad などで自由に Web サイトが閲覧できるし(今もこのサイトを見ていますね)、最近は電子書籍も普及してきたので、端末で小説などを読まれる方もおられるでしょう。コンピュータ内部では、こうした文字情報は全て数値として記録されます。そのために1つ1つの文字に予め対応する数値が割り当てられています(JIS、SJIS、EUC、Unicode など色々な規格があります)。そうした数値をずらずらと並べて文章が記録されるのです。たとえば『数学教室』という文字列は JIS コードで

16244131441387715420

というように表されます。人間がこんなものを見ても何のことやらさっぱりですが、ともかくコンピュータはこのように文字を処理しています。そうすると円周率の値

π = 3.14159265358979323...

もコードに対応させれば、なんらかの文字情報となるはずです。もちろん、ほとんどの部分は文章どころか単語にすらなっていない無意味な文字の羅列にはなってしまいます。でも円周率は無限に続きます。無限に存在する数値の中には意味のある単語もちらほらあるでしょうし、一生懸命探せば文章だって含まれているはずです。夏目漱石の『吾輩は猫である』だってどこかにあるはずです。もしかすると最後の一文が違っていた、ということもあるかもしれません。でも落胆することはありません。数字は無限にあるので気を取り直して完全に一致した『吾輩は猫である』を探せばいいのです。同じように芥川龍之介の『羅生門』や川端康成の『雪国』も存在するはずです。ウィキペディアの全文もあるでしょうし、当サイト『Excel VBA 数学教室』もあるはずです。文字情報だけでなく、映画やドラマ、YouTube の動画、さらには生物の DNA 情報も含まれます。過去の作品だけでなく、未来に登場する作品も全て含まれます。さらに言えば、誰も書かないはずの物語も無数に存在することになります。とにかくこの宇宙に存在するあらゆる情報がπに含まれていることになります。そう考えると何だか怖い気もしますね。

ただし、この仮説が成立するには1つだけ条件があります。
それはπが無限乱数列(正規数)でなければならないということです。無限乱数列とはサイコロを振って数を並べるのと同じように、0 から 9 までの数字が無作為に並んでいなければなりません。つまりどの数字も偏りなく同じ頻度で出現しなければならないということです。無限乱数列は全ての有限数列を含むので、πが無限乱数列ならば、宇宙のあらゆる情報(有限数列)を含むことになります。

πが無限乱数列なのかどうか、残念ながらそれはまだ証明されていませんが、たくさんの桁をとって調べてみると、無限乱数列であることを示唆するような結果を見ることができます。たとえば 100,000 桁まで調べてみると、それぞれの数字の出現回数は

0:9999
1:10137
2:9908
3:10025
4:9971
5:10026
6:10029
7:10025
8:9978
9:9902

というようになっています。多少のばらつきはありますが、だいたいは均等になっていますね。これをはるかに巨大な桁まで調べていって、誤差が 0 に近づくならば、πは無限乱数列だという確信が強まります(でも絶対にそうだと言い切るには無限の桁についての数学的証明が必要です)。円周率は無限乱数列ではなく疑似乱数にすぎないという説も根強く、今のところ「πに全ての情報が含まれる」というのは、あくまで仮説にすぎません。

しかし仮に円周率が無限乱数列であることが証明されて、
「そうか! ではこの中からまだ発表されていない文学作品や科学的発見を見つけて一躍有名人になってやろう!」
と思っても、そうはいかないのです。実のところ、このπに含まれる情報は何の役にも立ちません。おそらくまとまった意味のある情報を探すのは、砂漠の中から1粒の砂を見つけるよりも困難です。たとえば『吾輩は猫である』が 100 兆桁ぐらいの所にあったとして、その情報を得るために 100 兆桁の数字をしらみ潰しに探さなくてはなりません。そんなことはスーパーコンピュータを使っても到底不可能です。

無限は途方もない概念です。全宇宙の情報を全部集めたところで、無限に比べるとほんの1粒にも足りない程度です。だから膨大な意味をもたない数字の海のなかに、ぽつぽつと何かが含まれていたところで、さほど不思議なことではないのかもしれません。

エクセルや数学に関するコメントをお寄せください

  1. サスケ より:

    いや~時間があったらやってみようと思います。

    • Blog Cat より:

      適当な文字変換コードを使って円周率を文字データに変えてみると、その中に単語がちらほらと見つかるかもしれません。ぜひ試してみてください。でも、まとまった文章を探すのは … ちょっと難しいかもしれません …

  2. あとりえこばと より:

    【AI連載小説】数学のリズム、エクセルの旋律(37)「数学? 哲学?」
     
    サークルの勉強会で、真琴、研伸、月子の三人が数学と哲学的なテーマについての議論をしていました。真琴が提案したテーマは、「円周率πには世界のあらゆる情報が含まれている」という説についての討論でした。

    真琴:「最近、面白い話を聞いたんだ。円周率πには世界のあらゆる情報が含まれているという説があるんだって」
    研伸(驚きながら):「え、どういうこと? 円周率って数学的な定数じゃないか?」
    月子:「その説は、円周率が無理数であり、しかも無限に続く数字列で構成されているため、どんな組み合わせの数字もどこかに存在する可能性がある、というものらしいよ」
    真琴:「要するに、円周率の数字列は無限で、それがランダムな数字列になるため、あらゆる情報がどこかしらに埋め込まれている可能性があるってことか」
    研伸:「それってすごいな。でも、どうやって証明するんだろう?」
    月子:「これは哲学的な話ね。数学的に証明するのは難しいかもしれないけど、興味深いアイデアね」

    三人は円周率にまつわる興味深い説について議論を続け、数学と哲学が交わる瞬間に思索を巡らせていました。