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【フェルミ推定】新幹線の年間利用者数

記念すべき(?)フェルミ推定の第 1 問です。
「フェルミ推定とは何か?」についてはこちらの案内ページの解説を参照してください。

【フェルミ推定01】新幹線の年間延べ利用者数

日本国内の新幹線の年間延べ利用者数を推測してください。正確な数字の 1/10 ~ 10 倍の範囲であれば正解とします。
 
【ヒント】日本の人口は何人でしょう? 皆さんは1年間にどれぐらい旅行されますか?

【解答】まず1人が1年間に何回ぐらい旅行するかを推測してみます。多くの会社員さんは年に 1 度、多くても 2 度の有給休暇をとって家族と一緒に旅行されると思います。また出張や通勤に新幹線を使うこともあるでしょうから、社会人であれば「年に2度」ぐらいが妥当かもしれません。学生さんも夏休みと冬休みに友達と旅行に行きますね。しかし社会人とちがって懐に余裕がないのが普通ですから「年に1度」かもしれないですし、もっとコストの低い交通機関を利用することも多いでしょう。しかし「会社員とその家族」と比較すると人数の比率も少ないでしょうから、学生さんたちの事情は無視してしまいます。

実のところ、フェルミ推定では、1/10 から 10 倍の誤差が許されているので、年に 1 度であろうが 2 度であろうが、あまり気にしなくてもいいのです。

さて、行ったら帰って来なくてはなりませんから、交通機関の利用は旅行回数の倍の「年に 4 度」とします。交通機関の選択には主に「車」、「列車」、「飛行機」がありますね。船もありますけど、おそらく少数でしょう。また、旅行となると遠い所に行くことが多いので「列車」は「新幹線」に置き換えてもかまわないでしょう(列車のうち 70 % とか、そういう細かい計算もフェルミ推測では無用です)。

これで大体の材料が出揃いました。
日本の人口約 1.3 億人を 4 倍して、3 で割ってみると …

1.3 億 × 4 ÷ 3 = 1.73 億人

つまり、年間延べ約 1 億 7 千万人が新幹線を利用していると推測できます。この数字がどれほど現実を反映しているのかを調べるために、統計局のデータを調べてみました。すると、約3億人となっていました。3 億の 1/10 は 3 千万、10 倍は 30 億ですから、上の推定は充分に「正解」だったということになります!

「いやいや、実際の値の半分で正解とかありえないでしょ?」
と怒る人もいるかもしれませんが、フェルミ推定ではこれぐらいで充分なのです。数字のずれは出張回数や旅行回数を少なく見積もり過ぎたり、外国人観光客の数を考慮に入れていなかったりしたせいかもしれませんが、フェルミ推定では、そこまで細かい分析を要求していません。桁さえ合っていればいいのです。最初は戸惑う部分もあるかもしれませんが、これから問題をこなしながら「ざっくり推測するやり方」に慣れてください。

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