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フェルミ推定演習問題
当サイトオリジナルのフェルミ推定の演習問題です。
フェルミ推定の方法
問題です。新幹線の年間延べ利用者数はおよそ何人でしょう? … いきなりこんなこと訊かれても戸惑う人がほとんどだと思います。
「統計資料でも調べない限り分かるはずがない」
と思われるかもしれませんね。でも …
「それほど正確でなくてもいいので、 1/10 から 10 倍の範囲に収まるように推測してください」
という問題でしたら、まだ何とかなりそうな気がしませんか?
「正確な値を A として、0.1 A も 10 A も正解にしてあげますよ」
と言われているのです。こんな気前のいい問題は学校の数学では有り得ませんよね。上のメニューの問題01 のリンク先にに正解が載っていますので、ちょっと考えてみてください。
この種の問題をフェルミ推定といいます。フェルミとは物理屋さんにはおなじみの、あの Enrico Fermi (エンリコ・フェルミ) です。統計力学を専門とするフェルミがこの手の問題を作るのが大好きだったので、この呼び名がつきました。ある意味、これはいかにも物理屋さんらしい問題です。物理は自然界の現象を解き明かす学問ですから、新しい理論を作ったり、大規模な実験にとりかかる前に「大体このぐらいになるんじゃないかなあ」という予測を立てておくことがとても大切だからです。
さて現代では、高度な思考力をもつ人材を採用したい外資系企業などが、フェルミ推定を就職試験に活用しています。知識そのものを問うというより、知識を柔軟に活用する力を見るための試験です。フェルミ推定の問題を解くには、母国の人口や、富士山の (おおよその) 高さなどのごく一般的な常識に加えて、高校で学ぶ本当に基礎的な科学知識(地球の直径や炭素 1 mol の質量など)を持ち合わせていれば充分です。そういう基本的な知識を頭の中から素早く引っ張りだして組合せて正解を導くフェルミ推定は、普通の問題とはまたちがった独特の面白さがあります。また、フェルミ推定は決まったやり方があるわけでなく、解法は幾通りもあります。ぜひ皆さんも当サイトのフェルミ推定演習問題で自由な推測を楽しんでください!
以下に、フェルミ推定でよく用いられる数値を載せておきます。問題を解くときの参考にしてください。
・世界の総人口 7.0×109人 (70億人)
・日本の総人口 1.3×108人 (1億3000万人)
・東京23区の人口 9.4×106人 (940 万人)
・日本の平均寿命 80歳
・日本の国土面積 3.8×106m2 (38万平方メートル)
・スタジアムの面積 104m2
・富士山の高さ 標高 3776m ≒ 3800m
・エベレストの高さ 標高 8848m ≒ 9000m
・平均年収 450万円
・大企業/中小企業の数 1万社/50万社
・大学/高校/中学校/小学校の数 750/5000/10000/20000 校
・地球の半径 6378km ≒ 6400km
・月の半径 1738km ≒ 1700km
・原子の直径 1Å = 10-10m
・炭素 1mol の質量 約 12g
どれも概算値ですが、フェルミ推定においては、これでも細かすぎるぐらいです。実際に計算する際には、たとえばエベレストの高さは 10000m と近似すれば十分です。