古典力学と解析力学 おすすめ教科書・入門書・問題集

 理工学部の学生さんのための 古典力学の名著 を紹介します。ちなみに最初に読む一冊としては『物理学序論としての力学』を断然おすすめします。これ以外の本を推薦したくないぐらいです。

古典力学 おすすめ教科書・入門書

物理学序論としての力学(基礎物理学1)

物理学序論としての 力学 (基礎物理学1)

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 物理学とは実証学問です。(前提とする)基本法則とそこから導き出される結論は実際の観測データに合致していなくてはなりません。実験なしに物理学は成り立たないのです。しかし現代発行されている力学入門書のほとんどは、基本法則から数学的に導き出される(落下や振り子などの)各種の運動が疑うことなき真実であるかのように書かれています。いえもちろん、昔の人が慎重に実験を重ねて正しい事を証明しているので、真実が書かれていることに間違いないのですが、初学者がこのような本を最初に読んでしまうと、物理学があたかも数学のように公理から数式だけで諸定理が導き出される学問であるという印象を受けてしまう怖れがあります(別にそんなことないかもしれませんが、私自身はなんとなくそうであった気がします)。数理のみで構成される物理学の本は、確かに理論物理学の記述としては美しくスマートなものになりますが、それを築き上げるまでになされたはずの数々の泥臭い(悪い意味ではありません)実証作業を全て削ぎ落としてしまったような本は、やはり初学者向けではないと思うのです(2冊目以降に読む本であれば問題ないと思います)。

 本書『物理学序論としての力学』は、まさにそうした配慮がなされた名著であり、物理学が「経験数理科学」であるということを主張するスタイルで記述されています。ニュートンの著作『プリンキピア』から実験データを掘り起し、また足りない部分は著者自身が実験を行ってデータを補足し、理論から導き出される式と実験結果を丁寧に比較しています。たとえば5章の振り子の減衰運動では「おもりに対する空気の抵抗」「糸に対する空気の抵抗」「糸の屈曲部における内部摩擦」「おもりが質点ではなく大きさをもつこと」など、運動におよぼすであろう様々な減衰要因をリストアップし、そしてどの要因が一番大きく寄与するのかを考察しています。また理論式には含まれない要因による寄与を可能な限り小さくすることによって理論式の正しさを実証するという試みがなされます。このような試行錯誤を追体験することによって、読者は「自然科学とはいかなる学問か」を実感することができます。そういう意味で本書は物理学科のみならず、理工学部で学ぶ全ての学生さんにおすすめしたい一冊です。
 

よくわかる解析力学

よくわかる解析力学

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 解析力学を扱った初学者向けの本です。運動を記述するためには何か適当な座標を選ぶ必要がありますが、それをデカルト座標(直交座標)に限定してしまうと、運動の種類によっては記述が煩雑になってしまうことがあります。そこでデカルト座標を離れ、全ての質点の位置を指定するラグランジュの一般化座標というものを導入します。またニュートンの運動方程式を一般化座標で書き直したものをラグランジュの運動方程式とよびます。このような記述法によって、一見複雑に思えるような様々な問題を機械的に処理することが可能となります。
 本書では「解析力学を用いると、あんなに難しかった問題がこんなに簡単に解けるようになるんだよ」ということを丁寧に解説しています。入門書なのですが、難しい話題を避けているわけではなく「難しいことも丁寧に解説しましょう」というスタイルで書かれているので、水準は決して低くありません。物理学科の学生さんであっても、解析力学の本を何冊も読むということはないでしょうから「学部にいる間に何か一冊」というのであれば、迷わずこの本をおすすめします。自信がついたらランダウ・リフシッツの『力学(理論物理学教程)』に挑戦してもよいかもしれませんが、物理学科のカリキュラムというのは実に忙しく、なかなかそんな難しい本を読んでいる暇はないものなのです(実体験)。
 

ランダウ・リフシッツ「力学(理論物理学教程)」

力学 (増訂第3版) ランダウ=リフシッツ理論物理学教程

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 理論物理学教程 (Course of Theoretical Physics)は、レフ・ランダウ、エフゲニー・リフシッツ、レフ・ピタエフスキーの3名の物理学者による共著であり、世界各国の言語に翻訳されて大学の教科書として採用されています。「ランダウの力学」などと呼ばれることが多いのですが、ランダウ自身は文章を書くことが苦手で、実際に執筆を担当したのはリフシッツだと言われています。その最初の巻である本書「力学」は解析力学を扱った本です。美しい理論構成で記述された名著ですが、かなり水準の高い本なので他の力学と解析力学を1冊ずつ読み終えたあとに、この本に挑戦してみるとよいかもしれません。細かな計算過程などは省かれているので、ノートを用意して自分で計算しながら1ページずつ丹念に読み進めることをおすすめします。
 

大学演習 力学

大学演習 力学

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 良問が揃っていて、各問に詳しい解答例がついている力学の演習書は世に数えるほどしかありません。私もこの一冊しか所有していません。物理科の学生さんであれば、おそらくこの本のことは知っていると思いますけど、いちおう紹介しておきます。少し古風ですが確かに良書です。「質点の直線運動」「落体の運動」「単振動」「相対運動」「角運動量」「剛体の運動」「回転運動」「実体振り子」といった代表的な問題を全て網羅していますし、後半には解析力学や特殊相対論の問題も含んでいます。かなりの分量があるので、これ一冊やっておけば大学編入試験や院試対策には十分だと思われます。
 

古典力学の形成(ニュートンからラグランジュへ)

古典力学の形成―ニュートンからラグランジュへ

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 現在私たちが学んでいる「古典力学」の記述スタイルは、ニュートン以後に欧州の数学者たちの共同作業によって整えられたものであって、ニュートン自身は主に時間軸を交えた幾何学によって力学を書き表していました。本書では最新の文献調査に基づいて、ニュートンからラグランジュにいたる「古典力学」の形成過程を追っています。科学史の本でありながら数式もしっかり載っていますが、そこを読み飛ばしても流れは掴めるようになっています。
 

スタンフォード物理学再入門 力学

スタンフォード物理学再入門 力学

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 長年にわたってスティーヴン・ホーキング博士とブラックホールについて論争し続けたサスキンド博士による、スタンフォード大学の社会人向け講座をもとに記述された物理学(力学と解析力学)の入門書です。

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